エペは田中が4位、宮津、澁谷がベスト16で全日本インカレへ!

◇令和3年度関西学生選手権大会・令和3年度関西学生新人戦◇3日目◇エペ個人戦◇10月15日◇大山崎体育館◇
【関西学生選手権大会/男子】
[1回戦]
〇澁谷10ー9今井(京産大)
●木澤9ー10大釜(関学大)
◯清川ー水谷(愛工大)
●全性4ー10金尾(立命大)
◯田中10ー4小向(中京大)
◯宮津10ー5岩本(朝日大)
[2回戦]
◯澁谷10ー6中西(龍大)
●清川3ー10金尾(立命大)
◯田中10ー4水間(近大)
◯宮津10ー8西村(同大)
[3回戦]
●澁谷7ー10内山(京産大)
◯田中10ー8古橋(同大)
●宮津10ー堀本(京産大)
[準々決勝]
◯田中10ー7佐藤(朝日大)
[準決勝]
●田中8ー10堀本(京産大)
[3位決定戦]
●田中3ー10大矢(京産大)
【関西学生選手権大会/女子】
[1回戦]
●泉1-10石川(関学大)
【関西学生新人戦/男子】
[男子1回戦]
◯澁谷10ー5宮部●
[男子2回戦]
●澁谷3ー10長崎(関学大)
【関西学生新人戦/女子】
[女子1回戦]
◯泉10ー7菅原(朝日大)
[女子2回戦]
●泉9ー10渡邊(立命大)
フルーレ、サーブルに続いて行われたエペの個人戦では関西学生選手権大会(関カレ)に8人、関西学生新人戦に3人が出場した。団体メンバーにもなっている、田中仁(商2)、宮津綾(シス理3)、澁谷和典(シス理1)の3人がベスト16進出。さらに関大のエース・田中は準決勝進出と好成績を残した。

これまでの種目同様、通常より5点少ない10点先取で勝敗が決まる今大会。最初に登場した澁谷はクードゥブルから2点先取し、3ー1とリード。だが、リーチのある相手に苦戦し、なかなか得点が決まらない時間が続く。4ポイント連続で奪われたものの、6ー6に追いつくと先に9ポイント目を奪い勝利に王手をけかる。9ー9の同点にされたが、しっかりと勝ち切る強さを見せた。「1本勝負で勝ち切れたのは自分として自信になった」と、勢いに乗ると2回戦も危なげなく突破。3回戦では、リードされつつも中盤から追い上げを見せる。しかし、ランプは光るものの、同時突きとなり点差が縮まらない。7点まで粘ったがここで敗退となった。それでも、初の関カレで全日本学生選手権大会(全日本インカレ)進出を決め、充実の表情を見せた。


続く、木澤聡(環都4)は3ポイントを先取されたものの、そこから3点を奪い返し同点に。拮抗(きっこう)した試合展開を見せたが、相手の3連続得点で8−4とされ窮地に追い込まれる。それでも怒涛(どとう)の追い上げで、同点に追いつき意地を見せた。しかし、9ポイント目がクードゥブルとなると、最後の1点も奪われ勝ち切れず。

同じく4回生の清川雄伍(政策4)は、6ー5と序盤は点を取り合う試合に。そこから一気に得点を奪い相手を圧倒し、初戦を突破した。しかし、2回戦で立命大の強敵・金尾と対戦となり、第1セットから2ー5とリードを許す。インターバル明け、積極的な攻撃を見せランプが点灯。反攻を仕掛けたいところだったが、相手の実力が一枚上だった。そのまま3ー10で敗れ、惜しくも全日本インカレには届かなかった。


全性ヒョン(商3)も初戦で立命大の金尾と対峙(たいじ)。開始後約30秒で4得点を奪われ、苦戦を強いられる。5点目で全のシングルランプが光ると4ー6と追い上げを見せた。長身を生かしたプレーで追いつきたいところだったが、相手も意地を見せ4連続でポイントを奪われる。強敵相手に良さも見せたものの、初戦突破とはならなかった。

満を持して登場した田中は1ポイント目こそ奪われたものの、相手を寄せ付けない強さで1回戦から快勝。2回戦でも試合開始直後から6ー0とリードを奪うと、そのまま相手を突き放し10ー4で勝利をつかむ。なんなく全日本インカレ出場を決めた。

山場は3回戦。ベスト8決定戦で早くも宿敵・古橋(同大)との対戦となった。高校時代の全国大会でも敗れ、大会前から意識していた相手。1ポイント目は駆け引きが長く続いたものの、相手に先取されると、最初の3分で6ー3とリードを広げられる。ピンチの場面で、インターバルでの澁谷のアドバイスを元に、積極的に攻めるスタイルから相手の攻撃を待つスタイルに作戦変更。第2セットは1ポイント目こそ奪われたものの、4点目を手にするとそこからは圧巻だった。5、6点と得点を詰みあげていく。7点目は両突きとなったが、8点目でついに同点に追いつくと大きくガッツポーズ。そのまま9点目、残り10秒で10点目を決め見事な勝利をつかんだ。準々決勝は序盤こそ拮抗(きっこう)したものの、後半に連続得点もあり余裕でベスト4進出を決めた。準決勝は1点目のあと、疲労からか足がつるアクシデント。相手を追いかける展開ではあったが、8点目で同点とする。しかし、最後は相手に連続でポイントを取られ8ー10で3位決定戦に回った。3位決定戦でも本調子とはいかず、相手に一方的に攻撃を許し白星を献上。新人戦も棄権するなど不完全燃焼に終わったが、大学初公式戦でライバルを倒し、関カレ4位と大躍進だった。


最後に登場した宮津も好調を見せた。初戦は互いに攻撃のタイミングを探り合い、2点目まで十分に時間を使いながらも同時得点。しかし、3点目でリードを奪うと、4点目もすばやくアタックをしかけ流れをつかんだ。そのまま一気に点差を広げ、10ー5で勝利。続く2回戦は世代日本代表になったこともある強敵が相手。先にリードを握られたものの、3ー1から宮津のシングルランプが光ると、5連続得点で逆転。終盤には相手に隙をつかれ8ー8に追い上げられたが、「いつもだったらびびって下がっちゃうと思うけど、最後は前に出れた」と、積極的に攻め込んだ。渾身(こんしん)の一撃で9点目を奪うと、そのまま10点目も決め、ベスト16進出を決めた。一方、3回戦は第1セットで7ー4とリードを広げる。しかし、インターバル明けから相手の戦術に乗せられ自分の動きをさせてもらえない。5連続得点で相手に逆転を許し、7ー9と追い込まれた場面でも1点を奪い返す。勝利には一歩届かなかったが、「今までにないくらいいい試合ができた」と笑顔を浮かべた。


エペ女子には泉直佳(環都2)が出場。関カレでは左利きの相手に苦戦し、思うように攻撃ができないまま敗退。しかし、同期の関カレでの活躍に新人戦では奮起した。序盤は3ー1とリードされたものの、「アタックが遅いのがわかった」と冷静に取り返す。インターバル明け逆転すると、8点目から一気に4連続得点。経験者が多い中、大学スタートとは思わせない戦いぶりでうれしい初勝利をつかんだ。2回戦は、のちに新人戦3位となる相手と対戦。序盤からとっては取られの展開に。しかし、6点目、7点目を連続で取られ逆転を許す。7ー8から4連続でクードゥブル。攻撃は決まるものの、相手に追いつくことはできず惜しくも9ー10で敗れた。


男子の新人戦には、澁谷と宮部陽向(社1)の2人が出場。初戦からまさかの関大対決となった。序盤は澁谷リードし、3ー1。そこから両者とも得点が決まらず宮部にPイエローが与えられる。しかし、そこから宮部の3連続得点で3ー3の同点に。接戦になるかと思われたが、澁谷がきっちり得点を重ね10ー5で勝利。続く2回戦は、3ー3とスタートこそ健闘したものの、そこから一方的な展開を許し、3ー10で敗退となった。


エペでは他の種目より出場者が多く、10点で勝負が決まる今大会では苦戦が予想されたが、団体メンバーの3人がきっちり全日本インカレ出場権を獲得。上位は京産大の独占を許したが、17日の団体戦に向け自信をつけた。【文/写真:牧野文音】
▼宮津
「夏休みから関カレに向けて体も作って、最後の追い込みも成功して、結構体調も万全で臨めていたので良かった。インカレ出場を目指してたけど、それを目指していると体も硬くなったりするので、純粋にフェンシング楽しもうという思いでやっていた。昨日も左利きの先輩にレッスンとってもらったら、今日の1、2回戦左利きだったので、ちょうどその部分がハマったという運もあったけど、それ以前も後輩の田中仁くんに結構レッスンを取ってもらって、アームワーク的な部分も結構上達はしたかなと思っていた。それと自分の強みのフットワークが連動できて、今までにないくらいいい試合はできたかな。2回戦は、ジャパンの(マークがついた)日本代表の子が相手で結構びびっていた部分もあったけど、最後の最後まで自分の戦い方ができたという点で、今までにない上達ができた。いつもだったらビビって下がっちゃうと思うけど、最後は前に出れて自分の動きができたという点で、今までより良かったと思う。次の試合、7ー4でリードしていたのに、そこから10ー8で負けたというのが、今回の1番の反省すべき点。勝っている時は、相手が剣をたたいてきても、ちっちゃい動きで戦えて、相手がミスしたところを突きにいくというその動作ができていたけど、第2セットになって、相手が剣のやりとりを多くしてきて、無意識的にビビっちゃって、自分の得意のちっちゃい動きでコンパトに突くという部分ができなかったのが敗因。でも、最後の負けた試合も結構楽しくできた。悔しい部分もあるけど、インカレに行けるというのと、今まで作ってきた体が結構調子良く最後まで使えたという点でいい経験になった。テーマは笑顔で、試合中もできたので、試合自体楽しめたという部分では結構いいかなと思うけど、反省点も結構あったので、そこをインカレまでにどこまでできるかが課題。(17日の団体戦に向けて)団体のメンバー3人、僕と澁谷と仁(=田中)の3人が個人でインカレ出場できるのでその力を出したい。3人とも京産に負けているので、京産に当たった時は勝てるように作戦を決めて、個人団体共に3人で一緒にインカレ行って、高めあえるように頑張っていきたい」
▼田中
「(高校以来の公式戦だったが)思ったよりも練習通りに動けてよかった。1、2試合目は正直そんなに強い相手じゃなくて、結構余裕があったけど、3試合目の相手がインハイとかでぼこぼこにされて負けている相手で、練習のときから絶対勝つという意気込みでやっていた。最初負けてて、結構追い込まれてたときに、ベンチコーチとして入ってもらっていた渋谷のアドバイスで一気に追い上げることができて、関西大学の絆を結ぶことができた。最初は結構ガツガツ攻めていたけど、それをやめて、逆に相手がくるのを待つ試合形式というか、考え方を変えたらうまくそれがはまって、前から倒したかった古橋選手を倒せたのはよかった。(準決勝からは)いけるかなと思っていたら、急に疲れで足がつってしまって、そこから流れが(相手に行った)。ちょっとでも足に力を入れると、すぐにつる状態が続いていて、それが3位決定戦にも影響していた。そこは今日見つかった課題の1つで、練習でもっと追い込まないといけなかったのかなと。関カレ4位というのはうれしいけど、本当はもっと強い相手がいるけど、強い人が負けちゃって、正直優勝狙える相手だったので、それがすごく悔しい。でも、課題が見つかったのが収穫だし、結構今まで頑張っているつもりだったので、古橋を倒せたというのがすごく自分の自信になった。団体戦は優勝は本当に無理な話じゃないってわかったので、がちで狙いに行きたい」
▼泉
「エペは外部の練習でもずっと教えてもらっていて、絶対勝って来ななって先生に言われてたけど、関カレの相手が左利きやって、女子が少ない中で、左相手の距離感とかタイミングとかが全くわからなかった。ひとつラッキーでクードゥブルで突けたけど、結局1点も(シングルでは)取れないたま終わっていた。どうせ10ー1にされるなら、わからないなりにもっと積極的にアタックすればよかったなと思った。でも、めちゃくちゃ負けたのは悔しくて、新人戦も切り替えれないかなって思ったけど、先生が声をかけてくださって気持ちが楽になって。負けても経験がないんだから思いっきり楽しもうって思ったら、案外相手がよく見えて。1回戦の朝日相手はアタックがそこまで早くなかったけど、結構アタックしてくる子だったから、それは無難に合わせた方が確実やって思って。後半、私が点数リードした時は、合わせようという作戦で行って勝って。2回戦は、1回勝ったという自信もあったし、ベルギアン相手というのもやりやすくて。最後はクードゥブルになっちゃったけど、思いっきりアタックいけたので良かった」
▼澁谷
「関カレに関しては自分の中で、いい結果じゃないかなと思っている。ただ8に入れなかったということに関しては残念。新人戦は仁(=田中)さんのけがとかもあって、集中力も欠けた状態でやっていたので、妥当じゃないかなというところはあります。関カレの初戦で9ー9の1本勝負で勝ち切れたのは自分として自信かな。自分は身長的にはあまり高くなくて、相手が高くて(剣が長い)フレンチで、苦手ではあるけど、仁(=田中)さんとか普段練習してる方がでかかったりして、そこに対しての練習が結構できていたので、勝てたかなと思う。(課題は)やっぱり攻めて得点というのが多い方ではないので、今後は自分で攻めて点数を取るというのを中心に練習して、それができるようになったら自ずと結果は上がってくると思う。(団体戦に向けて)団体戦と個人戦は違うものだと思っていて、僕の不得意なとことも2人は得意で結構カバーできることろがあって、逆にふたりができないところも僕がカバーできると思っているので。仁(=田中)さんと宮津さんと僕の3人は結構バランスいい感じなので、結構いいところまでいけるんじゃないかな思っている。目標はやっぱり優勝」