破竹の7連勝で秋リーグ制覇!

◇令和3年度関西学生秋季リーグ戦第5節◇対京大1回戦◇10月10日◇南港中央野球場◇
関大 000 022 002=6
京大 000 100 210=2
(関)定本、桃尾、金丸―有馬
(京)水江、水口、池田、川渕―愛澤
1(中)安藤
2(右)中井颯
3(遊)野口
4(三)久保田拓
5(一)上神
6(捕)有馬
7(左)小河
8(二)坂之下
9(投)定本
勝てば優勝が決定するこの1戦は4回に4連打から先制点を許す。しかし、その次の攻撃では2点を奪い逆転。その後も打線がつながり追加点を重ねる。投打がかみ合いチームは見事勝利。開幕7連勝で19年秋以来のリーグ制覇を決めた。
序盤は投手戦となる。先発の定本拓真(文3)は打たせるピッチングで2回までをパーフェクトに抑える。3回にはエンドランで大きなピンチを作られるが、後続を断ち切り無失点で切り抜けた。一方打線は4回まで出塁はするものの、相手先発・水江を攻略することはできない。

試合が動いたのは4回裏。定本は幸先よく1死を取るも、続く打者から4連打を浴び、1点を先制される。
1点を先制され反撃に出たい関大。先頭の小河英一郎(商3)が内野安打で出塁すると、続く坂之下晴人主将(人4)も左前安打を放つ。その間に小河は激走を見せ、3塁に到達した。無死一、三塁で代打に送られたのは目片洸希(人4)。高く跳ね上がった打球は適時内野安打となり同点に追いつく。さらにその後は安藤大一郎(経4)の内野ゴロの間に勝ち越しに成功した。

5回に登板した桃尾岳宜(情4)は安定感光る投球を披露。1回を無失点に抑えた。

6回表には関大が追加点を挙げる。上神雄三(法3)、有馬諒(商2)が安打で出塁すると、小河が犠打で走者を進める。ここで迎えるのは坂之下。前進守備の間を抜く適時打で1点を追加。続く代打・口分田楓太(人3)も犠飛をはなち、点差を3点とした。



9回表には久保田拓真(社4)の安打と2つの四球でチャンスを作ると坂之下主将が中前に2点適時打を放つ。主将のダメ押しの一打で試合を決定付けた。

6回から登板していた金丸夢斗(文1)は走者は許すものの粘りのピッチングを見せる。9回には右打者のインコースにストレートを投げ込み見逃し三振。最後は一邪飛に打ち取り、4回を1失点に抑え試合を締めた。

春リーグは5位と思うような結果を残せずにいた関大。早瀬万豊監督は「今シーズンはこの状況の中で選手たちは自分の立場を理解して、ベンチに入っているものだけでなくスタッフや関係者も含めて協力してもらって、ここまで来られた」と語る。チーム一丸となって今リーグを勝ち抜いてきた。残る3戦も必ず勝利し、神宮大会代表決定戦に挑む。【文:荒川拓輝/写真:中西愛、上田紫央里、木原綺音】
▼早瀬監督
「今シーズンはこの状況の中で選手たちは自分の立場を理解して、ベンチに入っているものだけでなくスタッフや関係者も含めて協力してもらって、ここまで来られました。それが大きな要因だと思います。(打線が好調ですが)長打が絡んで勝った試合もありました。今までにないような得点パターンが見られたので非常に頼もしかったです。(春は思うような結果ではなかったが)悔しい思いや辞退するようや試合があって、非常にストレスを感じているようでした。でもこうやって成果につながって、気が晴れたので、これからにつなげたいと思います。(今リーグに入る前の仕上がりは)正直オープン戦が中止になって実戦経験が十分でなかったです。紅白戦でそれなりの状態が見られたので期待はしていました。(優勝の要因は)ピッチャーの方は骨折したのが痛かったですが、皆でカバー出来ました。特に桃尾がいい持ち味を出してくれました。桃尾は数少ないオープン戦で成果を出してくれていたので期待はしていました。経験値がある選手ではないのでそこは気になっていましたが桃尾の存在は大きかったです。(久保田拓選手をサードに起用しましたが)有馬のバッティングは本当に良くなっていて、打線に有馬を入れたいというのが一番でした。一戦目は代打の切り札で使おうと考えでしたが、思ったよりも有馬がキャッチャーとしてもバッティングでも成長してるので打線に入れたいなと思っていました。鷲尾が骨折しているので一点でも多く取れる打線にしたかったです。(2年前の神宮を知っている選手も多くもいますが今後の意気込みは)秋はこの後代表決定戦もありますし、一昨年は慶応に負けて悔しい思いをしているので、代表決定戦で勝利して暴れたいと思います」
▼坂之下主将
「(リーグ優勝して)春リーグ、5位という悔しい結果に終わって、チームを1から見直して、絶対目標は日本一ですけど、まず秋リーグ優勝しようということでやってきて、最短の7連勝で決められたので、うれしい気持ちもありますが、関西代表決定戦で勝たないと意味がないので、残りの3試合も気を引き締めて10勝して、連勝優勝で関西代表決定戦に挑みたいと思います。(優勝できた要因は)一人一人の技術向上もですが、チーム的にも挨拶、掃除なども大事にやってきて、春が悔しい結果に終わってからみんなも気付いてやってくれたので、それがチーム力の向上になったかなと思います。(打撃の好調の要因は)先頭の安藤から、頼もしいクリーンアップもいますんで、下位打線には小河と僕がいて、みんないい役割を果たしているなと思います。カバーしあえて出来ているなというふうに思います。(自身の打撃について)自分自身も春に悔しい個人成績に終わっているので、そこからしっかり見直してやってきて、秋が始まってちょっとずついい感じに打ててきているんので、ちょっと自信もって、今日もチャンスで回ってきたので、絶対自分が決めてやるという強い気持ちで打席に入りました。今までバットを短く持ってきて、良かったところもあったのですけど、もう少し打球を強くしたいという思いで、練習から強く振ることを意識して練習してきた結果です。(コロナ禍で)野球できることに感謝して、A、B、Cの3チームに練習を分けているのですが、できるだけ接触をしないように練習をやっているんですけど、BとCのみんなにはAの時間を避けて練習をしてもらっているので、他のチームのみんなにも感謝しながら、自分たちが一番いい練習時間にやらしてもらっているので、みんなで日本一になるっていうのを強く言っていたので、この秋はB、Cチームのためにも神宮に行って優勝したいなと思います。(大変だったことは)自粛期間はやっぱりみんな顔を合わせることができてないので、みんなで練習したいという気持ちはあります。(試合中、感情を表に出さなかったのは)マウンドに集まったり胴上げというのはコロナ禍っていうのもありますし、他にもリーグ戦優勝して、自分たちの目標は日本一なので、あくまでも通過点で、あとは京都大学さんの前なので、相手のことも称えて。2年前にリーグ戦優勝して、代表決定戦優勝したときに、2週間に2回くらい胴上げをして、選手は違和感あったので、代表決定戦のときにやったらいいかという話になりました。(京大に先制されて)今までのオープン戦や秋リーグも、リードされている試合を逆転して勝ったっていうのは何回もあったので、焦りは特に無く、春終わってから、前半と後半で1試合に2回勝とうというふうにやってきたんで、みんなの中に焦りはなかったと思います。(5回の打席について)バント2回失敗して、焦りというか、途中自信がなくなってしまって、初球のボール球に手を出してしまった時に、バントできるか不安になって自信なくして、監督に頼むからバントのサインを解除してくれという思いで、打席に立っていました。打つ方なら、ブチブチでも、ボテボテでも、進塁させる自信はあったので。結果オーライやったのですが、フライを上げてしまって反省して、あんなことしていたら関西代表決定戦も神宮も勝てないと思って。2ストライクに追い込まれたので、もう少しバットを短く持って、絶対進塁させるという思いで。あそこで進塁させなかったら、一気に流れで京大のほうにいくと思ったので、ここがターニングポイントになるなと思って。うれしいというよりは、バント出来なくてすみませんという気持ちでした。(秋リーグにバッティングの調子が上がったことについて)握りを変えたことより、練習の意識です。強く振るということを意識してやってきたので、そこが良かったかなと思います。前は指7本分位だったんですけど、今は5本分くらいで持っています。(次戦に向けて)残り3試合、明日の試合が大事になってくると思うので、10勝してこのリーグ戦を終わりたいと思います」