全日本インカレ閉幕。新たな世代が躍動誓う

4日間続く全日本インカレもついに最終日を迎える。多くの選手が思うような結果を残すことができない中、廣本新(法1)が200㍍平泳ぎでベスト記録を大きく更新。笑顔で今大会を締めくくった。
関大最初の出場者は100㍍背泳ぎの堀あずみ(法4)。前半を1位で折り返す勢いを見せるが、タイムは振るわず。だが、「悔しい思いはあるけど、やり切ったなというのはある」と堀。全国の舞台で力を出し切った。


続く200㍍平泳ぎに出場した廣本は序盤から上位に食い込む泳ぎを展開すると、150㍍地点から驚異の加速を見せる。周りを突き放すスピードで1位のフィニッシュ。ベスト記録を約1.5秒更新し、ガッツポーズを見せた。


残る種目は男女ともに出場した4×200㍍フリーリレー。女子からは横田涼乃(社2)林依茉(文2)、佐藤菜桜(社3)、横田杏圭(環都3)が登場した。関東の強敵を相手に上位を譲ることになるが、全員が最後まで力泳し、全国の舞台で力を見せた。





男子は、城広翔(人3)、萩原涼介(社1)、吉田怜生(安全2)、山本そら(シス理)のメンバーで挑む。女子と同じく、差を付けられる展開となるが、下級生を中心に奮闘。好記録を残すことはできなかったが、試合後はメンバー全員でレースを称え合った。




今大会をもってすべての4年生が引退となり、世代交代が行われる。「着実に力は付いてきていると思う。これからインカレでも活躍できるチームになってほしい」と篠野司前主将(法4)。今後の水上競技部への期待を寄せた。1つの世代が終わればまた新たな世代が始まる。新主将の長谷川大亮(商3)を筆頭に、関大水上競技部はさらなる高みを目指し、全国での躍動を果たす。【文/写真:宮本晃希】





▼篠野
「やっぱり全国の壁は厚いというところがあった。関大としても毎回悔しい思いはしているけど、着実に力は付いてきていると思う。これからインカレでも活躍できるチームになってほしい。(篠野さん自身の4年間について)本当に充実した4年間だった。もう一回大学に入り直したとしても水泳部に入って同じことをするだろうなというぐらいに楽しくて成長できた4年間だったと思う。(主将としての4年間は)1人ではできないことがたくさんあったので、仲間に頼りながらこのインカレまで来られたところは自分にとって財産だし、いい経験をさせてもらえた。インカレに出ない最高学年の選手の引退試合がコロナの影響で出られなくなった。その中で大学のプールで試合をした。引退試合ではあるけど、後輩たちにとっても良い試合にしようと同期の中で話し合って、一丸となった。後輩たちも多くベストを出してくれて、あのときにチームの一体感をすごく感じた。(後輩たちに向けて)最終学年というのは1年しかできない。僕らの反省は1個下の子が改善していくことが部活の流れだと思う。良かったところも含め、反省点を考えながらさらに強くなるためにやっていってほしい。あとは楽しむだけ。(新主将の長谷川に向けて)主将として忙しかったり、難しいところもあると思うけど、持ち前の笑顔と全力さで人を巻き込んでほしい」
▼堀
「自分的には自己ベストで終わりたかったけど、真逆の大学一遅いタイムで泳いでしまった。悔しい思いがあるけど、やり切ったなというのはある。最後まで自分の全力を出せたかなと思う。ただ、1週間前の練習では調子がよかったので、もっとタイムを出したかったという悔いは残った。インカレ全体としても悔いは残っている。やっぱり自分自身の最高タイムを目指してやってきたので、それが出せなかったこと自体が悔しい。(インカレに向けて取り組んだことは)私自身足首が弱くて、けがが多かったけど、今まであまり行かなかったリハビリにも行って、筋トレ方法も教えてもらった。ストレッチや筋トレなどの自主練の時間も取ってきた。(ラストレースのときの気持ちは)悔いなく終わろうということを思っていた。気持ち的には会場の中で一番楽しんでやると思っていた。(4年間を振り返って)1年生の時は大学のために泳いで活躍することができていたけど、3、4年生ではあまり貢献できなかった。でも、納得できるレースができたり、練習も楽しんでやれていた。(後輩たちに向けて)私みたいにちょっと悔いが残るような引退ではなくて、全国でも活躍できるような選手になってほしい」
▼長尾息吹(経4)
「この2年間のインカレは標準記録だけではなくて、人数制限もある中で、出場できるメンバーは精いっぱい泳いでくれたと思う。でも、ベストが1人しか出ていないのは大学として少しやばいなというのは感じているので、次のシーズンは来年の世代に期待している。やっぱりインカレというのは出ることが目的になってきていて、戦えるのが1人しかいない状況。インカレで戦うことができていないので、出ること以上に戦うことも意識して取り組んでほしい。(長尾さん自身の4年間を振り返って)自分自身はタイムが出ない時期が続いて、水泳選手としては苦しい時間を過ごしたことが多いと思う。でも、1回ベストを出したことや、大学生でベストを出すことの難しさがある中でタイムを出せたのはその瞬間うれしかったし、大学でも続けてきてよかったなと思えた。大学スポーツを続ける人が多くない中で、ここまで頑張ってタイムを出すのは難しいと思う。でも、自分自身4年間の中で1回だけでもタイムを出せたのはうれしかった。選手としてではなく、みんなを見る立場で支えて、多くの立場から水泳部に関わったのは今後の人生の糧になる経験ができた。(主務としての1年間は)率直に主務としての仕事しかできていなかったので、それがどうみんなに還元できたのかは分からないけど、自分自身の仕事は正確にできたと思う。後輩たちに向けてはどう受け取っていたかは分からないけど、しっかりやり切れた。(後輩たちに向けて)立ち上がりの時期はチームの方針を後輩たちに浸透させていかなくてはいけないので、難しい時期だと思う。自分自身、パート長の立場でメニューを作ったり、競技力を底上げしないといけなかったので、どう全体を持っていくかは難しかった。でも、この流れは代々伝わってきていると思うので、そこは生かしながらも自分たちの色を出して今年以上に良い年にしてほしい」
▼濱本真衣(人4)
「インカレの結果がどうかと言われたら、いまいちなところはあったと思うけど、試合がしばらくない中で、みんなで一丸となって頑張れたのは良かった。それを私自身も見届けられて良かった。(濱本さん自身の4年間を振り返って)マネージャーが同期の中で1人だけというのもあって、先輩方にも最後の1年は一瞬やでと言われていたけどそうは思わなかった。本当に長くてしんどかったけど、不意に選手から言われる「ありがとう」がすごくうれしかったし、それが4年間あったので、最後まで頑張ろうと思ってやり切ることができた。最終的には楽しかった。後輩が多くなってきたけど、一人ひとりと向き合うことを大事にしてきた。そうじゃないと後輩が何を考えているかや、不満がたまっているかが分からないので、聞いてあげることでこっちもできることをしてあげたいと思っていた。後輩と真剣に向き合うことを意識して取り組んできた。(後輩たちに向けて)とにかく楽しむことを忘れず最後までやり切ってほしいのと、どれだけしんどいことがあっても自分の成長につながると思うので、最後まで諦めずに全力で楽しんで頑張ってほしい」