無得点で、関学大に勝ち点3を献上

◇第99回関西学生リーグ後期第7節兼関関サッカー定期戦◇対関学大◇10月10日◇皇子山総合運動公園陸上競技場
【前半】関大0ー1関学大
【後半】関大0ー0関学大
【試合終了】関大0ー1関学大
今年度2度目の関関戦。関大のトップチームとしては後期リーグ唯一の有観客試合とも重なり、スタンドには久しぶりに部員たちが集まった。関大にとっては伝統の一戦で勝利をつかみ、インカレ出場に向けて弾みをつけたい。対する関学大は、前期リーグ開幕戦で関大に敗れて以降連勝中とリベンジに燃えていた。序盤は互いにチャンスを作り、攻守にわたるせめぎあいを見せる。しかし、関学大に攻め込まれた関大はゴール前でハンドの判定がとられ一発退場。PKもきっちり決められ先制点を与えてしまう。その後は1人少ない状況でゴールを守り切ったが、決定機は作れず。PKからの得点がそのまま決勝点となり、関学大に12連勝を許した。

前節までで勝ち点を40に伸ばし、首位を独走中の関学大に対し、立ち上がりは拮抗した展開を見せる。前半6分、左サイドでMF足立翼(人3)が展開すると、ファーサイドに放ったクロスをMF深澤佑太(社3)がかわすと、後ろからDF松尾勇佑(文3)がシュート。惜しくも枠外に外れたものの、3年生3人が開始直後から見せ場を作った。前半11分にも、FW沼田駿也(政策4)が中盤でボールをつなぎ、MF深澤のクロスにFW百田が合わせるが、これもゴールの右にそれる。



守備では、相手のロングフィードが通りピンチを迎えるが、DF浅羽が体を張ったディフェンスでシュートまで持ち込ませない。16分にはペナルティエリアの外からのシュートをGK田熊航洋(人4)がきっちり止める。中盤でMF岡崎駿希(法3)やMF足立が激しくボールを奪いにいくが、決定機はないまま。



前半30分、左サイドを崩されそのままゴール前まで持ち込まれる。ゴール前で混戦となったところでDF次木優斗(商4)にハンドの判定。DF次木は退場となり、相手にPKを決められてしまう。1人少ない状況で1点ビハインドと窮地に立たされた。

「ラインを設定して、出てくるところで勝負する」(=前田監督)と、FW百田に代わりDF髙橋直也(商2)を投入。その後も攻め込まれる時間が続いたものの、DF浅羽やDF吉田伸弘(法4)主将など4年生を中心に粘り強い守備で、追加点は許さない。


迎えた後半、5分には自陣深くで関大ボールにすると、FW沼田がカウンターを仕掛ける。ドリブルで相手守備をかわしペナルティエリアまで前進したものの、MF深澤へのパスが通らずチャンスを生かしきれなかった。MF足立のロングパスからFW沼田が抜け出す場面などもあったが、後半も攻め込まれる苦しい時間が続いた。


後半11分、右サイドから崩されたもののDF髙橋がスライディングでクリア。相手のコーナーキック(CK)がこぼれたところからシュートを打たれるが、GK田熊がしっかりキャッチ。さらに、相手のクロスをDF髙橋がインターセプト。攻撃の機会を作り出すと、中盤でMF草刈龍星(法4)、MF梅津克貴(社4)がボールをつなぎ相手コートへ。短くパスを回しチャンスを狙ったものの、相手守備に阻まれシュートには持ち込めない。DF松尾やDF川島功奨(社1)がドリブルでサイドから上がる場面もあったが、ゴール前で相手にボールを奪われてしまう。


得点はPKでの1失点のみと、両者ともにこのままでは終われない展開に。関学大は後半だけで11シュートと攻撃を加速。それでも、最終ラインの主将、副将が奮起し相手の攻撃をブロック。後半34分には右サイドから一気に攻め込まれたものの、DF吉田伸主将が時間を作るとGK田熊がセーブ。

数で劣る関大はカウンターから得点機を狙った。MF堤奏一郎(社2)がドリブルで上がるとゴール前まで持ち込むとCKを獲得。後半40分にもMF梅津のスルーパスにFW森隼平(商3)が抜け出したが、惜しくもオフサイドの判定。連戦の中、攻め込まれる苦しい展開の中でもチャンスを作って見せた。しかし、得点はないまま試合終了。前期リーグでは8ー0と大勝した相手に、スコアレスで苦しい負けを喫した。


一人少ない状況の中、守備陣の好守で1失点に抑える底力を見せた。しかし、勝ち点3を献上し、インカレ出場へ向け厳しい状況は続く。それでも、この悔しさと仲間からの応援を胸に勝利へ向け再び歩き出す。【文:牧野文音/写真:遠藤菜美香】

▼前田雅文監督
「立ち上がりで何個かチャンスを作って。ただ、相手の時間もできてというなかで、決められるチャンスもあったと思うので、そこのところでしっかり決めたかった。相手のストロングがFWということで、FWへの配給をできるだけチームで消していこうと臨んだ。けど、10人になって出どころが抑えられなくなって、ラインを設定して、出てくるところで勝負するという戦術変更になった。後ろをケアするしかなかったので、押し込ませて、最後のところで、スペースを作らずに、スペースを消していくというようなことをチームでしていた。0ー1ですごく長い時間を過ごして、1失点で終わったので守備に関してはよかったと思うけど、チーム全体で守備の時間とか、守備への人数を増やしたので、その分攻撃がなかなか出ていけないというところもあった。やるべきことをやって、ワンチャンス、ツーチャンスというところだったので、仕方ないかなというところ。実質11人であろうと、10人であろうと勝ち点3が必要なので、そこに対してのところが課題。勝ち点3が必要なので、しっかり準備してやっていきたい」
▼DF吉田伸主将
「100周年の関関戦で、やっぱり特別な意味がある一戦ということは全員が理解していたし、インカレを目指す上でも絶対に負けられない試合だった。チーム全体としても、期待してくれている人の思いであったり、声援というのを力に変えて勝ちたいと思っていたけど、自分たちの力不足で結果につなげることができなくて悔しい。立ち上がりはチームとしてうまく入れたかなと思っていて、松尾選手の惜しいシュートがあったりだとか、チームとしても攻撃の形が作れていたと思う。守備でも粘り強く戦えていた中での退場というところで、やっぱりゲームが難しくなった。1人少ない状況でも勝つためのプレーを全員が選択して、我慢強く戦いながら1点とって追いついて、もう1点とって逆転と考えていたけど、自分たちの攻撃のクオリティが足りなかったりだとか、相手がボールを握る時間が増えたりだとかで、いまいち攻撃に時間を使えなかったなという印象。(守備について)チームとしてもうまく守れたかなとは思うし、やっぱり1人少ない中でのやっぱりもう1点取られるとゲームが決まるというのは自分自身も思っていたし、チーム全員にはそういう話をしていた。10人になってから、まず相手に得点を与えさせないというところを前より強く意識していたし、チームとしてうまく守れたかなと思うけど、ゴールが遠かったという感じ。(課題)少し押し込まれた中で前に出ていく力であったり、相手よりも倍以上走らなければいけない状況で、力強さであったりタフさが少し足りなかったなというふうに思う。ああいう流れでもチャンスというのは絶対に1個か2個ある。そういうチャンスになりそうな場面で、自分たちの技術のレベルが低かったりとか、攻撃の質が低かったり、ゴールまで結びつけれないというシーンもあった。(連戦になるが)メンバーを少しずつ変えながら戦っているので、誰が出ても勝ち点3をつめるチームにというのは意識している。TOPチームの選手はTOPチームにいる以上、自分がやる、チームを勝たせたいという思いは全員ある。チャンスが来た時に、おのおのが結果を出す準備であったり、チームを勝たせる準備というのはできていると思う。今出れていない選手でも連戦で出場を控えるチャンスでもある。選ばれたメンバーがしっかりTOPチームの責任、覚悟を持って目の前の試合にひたむき戦って、勝ち点3、チームを勝たせるプレーをできるための準備をしている。やっぱりこういうコロナ禍で、無観客試合が続く中で、ああやって仲間が直接来て、今日の試合に向けて横断幕作ってくれたりだとか、いろいろ準備をしてくれていて、やっぱり仲間の声援というのは心強い。やっぱり今日の他のチームを見ても、関大の選手たちが一番直接ピッチに足を運んでくれたり、声は出せない状況だけど応援してくれたりだとか、思いは届けてくれた。試合中にも自分たちの力になるし、そういった人たちや、TOPチームとして試合に出れない人の思いも背負って戦わないといけないというのはもちろん理解している。そういう意味でもせっかく応援に来てくれた中で、勝ち点3を取れなかったのはTOPチームとして不甲斐ないし、自分自身としても申し訳ない。チームとしてまだ試合は残っているし、インカレに向けてチャンスが全然ないわけでもない。チームとしてしっかり勝ち点を積んで伸ばしていければ、他のチームの結果次第だけど、インカレ出場は現実的な範囲。ただ自分たちは勝つしかないので、目の前の試合1試合1試合、勝ち点3を積みながら、チームとしてひとつになって、タフに関大らしく、リーグ終わった時にしっかりインカレの出場権を獲得できるように、もう一度全員の力合わせて戦っていきたい」
▼DF浅羽
「インカレに行くためにも、伝統のある関関戦という点でも、絶対勝ちたいなと練習の期間ずっとやってきた。チームとしては試合に関してはいい雰囲気で臨めたと思う。退場するまでは、少し押されてる感はあったけど、シュートまでいけてたし、チームとしては悪くなかった。1人退場してしまってチームとして厳しい状態だった。そこで0ー1で抑えられたのはよかったけど、チームとしては勝ち点3が必要だったので、苦しい展開になったかなと思う。守備に回る時間が多くて、攻撃にほとんど参加できてなかった。仕方ない部分だったけど、自分自身チームを勝たせるプレーが足りなかったなというのはある。3連戦終わって、あと2試合連戦が控えているけど、いい状態でやるためには回復するのが大事だと思う。4回生は特に最後の試合になってくると思うので、やり切りたいなと思う。来年につなげていくためにも、インカレに行くためにも、自分たちが全勝すれば少しでも望みがあるかもしれないので、1試合1試合結果が大事になってくると思うので、まずは勝利を目指して、次の試合勝ちたい」
▼GK田熊
「初めての関関戦で、僕自身すごくコンディションも良かったし、インカレいくためにも勝ちというのが絶対必要だってわかっていたので、、すごいいい雰囲気で入れた。失点するまでは全員すごくモチベーション高くできていて、後ろで見ててもみんな動けていた。失点してからは、10人になって疲れて動けなくなってきた部分もあるけど、そこで後半0にできたというのはすごく良かった。自分自身シュートストップというのには少し自信があって、今回もそれを少し出せて、自分が守れたというのもあるし、DFと協力して、1失点で抑えることができたのかなと思う。久しぶりに応援というのがあって、自分自身すごくテンションも上がったし、応援の力というのもすごくあって、みんなが見にきてくれてすごく意識高くできたのかな。(スタメン定着について)自分自身出れない期間が長くて、それでも腐らず日々練習から取り組んで、試合に出ることができて。試合でもシュートも止めれらて、勝つこともできたので、そこからチームがいい方向に行って、試合に出れるようになった。(今後に向けて)もう残りは全部勝つしかないと思うので、勝つというのは、後ろが0だったたら負けることはないので、あとは全試合無失点で、インカレ出場できるように頑張りたい」