関学大を下し、秋季リーグ開幕3連勝!

◇第68回関西学生リーグ戦◇対関学大◇10月10日◇尼崎スポーツの森◇
[第1P]関大1-0関学大
[第2P]関大2-1関学大
[第3P]関大3-0関学大
[試合終了]関大6-1関学大
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、春リーグ・夏の交流戦が立て続けに中止となり、今年度1度も試合に臨むことができていなかった岩瀬谷拓哉主将(社4)率いるアイスホッケー部。秋リーグも一時は延期となったものの、10月2日に開幕戦を迎えることができた。関大は2日の龍大戦、3日の京産大戦ともに大差での勝利を果たしている。
今大会3試合目の相手は関学大だ。「相手が関西4強ということもあり、硬くなることは予想していた」。GK石田龍之進(経4)がそう語るように、試合前半はなかなか相手を関大の渦に巻き込むことができない。ただ第3ピリオド(P)、FW根本慎太郎(情2)のゴールを機に、勢いに乗る。FW根本のほかにもFW嶋野瑛心(文2)が2ゴール・2アシストをするなど、下級生がゲームに華を添えたこの日。6-1で圧勝した。

第1P開始すぐ、2分で相手プレーヤーが退場。パワープレー(数的有利な状況)となった関大はこのチャンスをものにしたい。FW髙秀稜(社1)が左からシュートを放つがゴールとはならなかった。以降、FW根本がゴール裏に回り、FW神山太一(人1)にパスを出しシュートする場面も。だが、得点にはつながらない。攻撃面が思うように機能しない中、DF陣は堅い守りを見せた。特にGK石田は、5分の2本連続セーブを皮切りに続々とパックを止める。互いに得点を許さない時間は流れ16分。試合が動いた。敵陣のフェイスオフサークル付近での1対1の混戦後、パックを受け取ったDF鈴木郁也(情2)がゴール前で待つFW嶋野にパスを出す。そのパックは相手GKを抜きネットを揺らした。同門コンビだからこその息の合ったプレーで関大に先制点をもたらす。その後、残り4分は危なげなく試合を進めた。1-0で第1Pを終える。




第2Pが始まると早々に関学大が仕掛ける。関大がキルプレー(数的不利な状況)となった2分。自陣での守りに徹底するも失点し、試合を振り出しに戻される。しかし、ここで動じない関大。3分には、相手DFの隙にFW佐々木隆弥(情3)が入りパックを獲得。FW佐々木隆がスティックを振った先にはFW泉大我(人3)が待ち構える。ゴール手前には2人の相手DFがいたものの、「味方FWが綺麗なパスをつないでくれたのでとても感謝している」とFW髙秀。 FW髙秀がすかさず得点する。1セット目が精度の高さを見せつけ、追加点を挙げた。



ここで勢いに乗りたい関大だが、慣れないリンクということもありペースをつかめない。15分にはFW泉が2本のシュートを放つが、ネットからずれてしまう。だが、得点に貪欲にプレーし続けると18分には好機が訪れた。DF佐々木亮悦(情4)がセンターライン付近からゴール前に待機するFW佐々木隆に向けて打ったパックは相手DFのスティックに当たるものの、その反動でパックがFW嶋野の元に。FW嶋野がそのままシュートをしたとき、相手GKのレッグガードに当たったことからそれてしまうがFW根本がしっかり回収しゴールを決めた。3-1のリードで第2Pを折り返す。


最終P序盤も攻守戦が続く。2分にはDF米津優風(人2)がハイショットを打つが相手GKが手で死守。7分には関大DFを抜いて関学プレーヤーがゴール前真ん中から2発のシュートを打ったものをGK石田が冷静に止めるなど、両者引けを取らないプレーで観客を盛り上げる。9分になると関大の時間が始まった。FW嶋野がこの日、自身2得点目を決める。15分になると、関大側のブルーライン付近で関学プレーヤーが逆サイドにいる味方に渡そうとしたものをFW熊谷天智(たかのり=情1)が奪い、相手DFを引き寄せないほどの猛スピードでゴールに近づく。相手GKにも止められることなくゴールをしスコアを重ねる。さらに、FW熊谷天智のゴール後に行われたフェイスオフでも追加点。パックを迎えたDF佐々木亮がDF佐藤翼(法2)にパスをする。一度は相手に取られるも、FW根本が素早く反応しフォアチェック。その後、FW嶋野に渡ったパックはゴールに向かって放たれるが得点にはならない。だが、そのリバウンドをFW神山が決め切り、リードを5に伸ばす。そのまま試合終了のホイッスルが鳴り、6-1で白星を挙げた。




関西4強を前に勝利はしたものの、昨秋では完封勝利や10-1で快勝するなどの試合があっただけに課題も残る一戦となった。岩瀬谷主将は「次は前半からもっとしっかり足を動かして良い流れで後半まで行ってスコアを重ねていきたい」と語る。関大アイホの季節はここから。強さにさらなる磨きをかけ、勝ち星を重ねていく。【文:木原綺音/写真:上田紫央里】

▼岩瀬谷主将
「(新チームの雰囲気)下の1、2年生が元気にがんばっていて、なので、チーム全体も元気にがんばるぞと感じでとても良い状況だと思う。(練習内容は)コーチに頼るのではなく、選手自身が考えてやっているので自立した練習をしている。(秋リーグへの思い)春の大会が無かったので、試合感がない部分はあったけど、勝ちたい気持ちはある。(セットの連携について)泉を中心に声かけをしていて、今日は点数を決められたので良かったと思う。(試合を振り返って)後半は良かったけど、 前半があまり良い流れではなかったので、 次は前半からもっとしっかり足を動かして良い流れで後半までいってスコアを重ねていきたい。(P間でのコミュニケーションについて)全体的には、個人個人、セット同士でしっかり声をかけてやろうと言っていた。(良かった選手は?)今日は個人ではないけど、1、2年生が良かった。嶋野だったり熊谷天智だったり、神山も点数を決めていたので。(次戦までに取り組みたいこと)もっともっと点数を重ねていきたいので、スコアリングを改善していきたい。(次戦に向けて意気込み)次立命館戦なので、無失点はもちろんだが6点以上目指して頑張っていきたい」
▼石田
「(新チームの雰囲気)今年は例年に比べてフレッシュな1、2年生のFWが期待できる選手が多くて、攻撃力があると思っている。練習も選手主体でやっていて、その中で、こうしたら点数入るのではないか・守りこうした方が良いのではないかなど選手間のコミュニケーションを大切にして、やっぱりアイスホッケーはチームスポーツなので、雰囲気作りを大事にしている。(GKから見えた今日の調子は?) 試合の前半は相手が関西4強ということもあり、硬くなることは予想していたが、予想通り硬かった。でも僕が練習の中でみんなに伝えていたゴール前でのバトル。相手のスティックを上げるとか先にパックを拾うとか。そういうところを徹底してやろうという点に関して守ってくれて頑張ってくれていたのですごく闘志を感じた。(試合を振り返って) 新チームになってから3試合目ということもあって、細かい連携のミスがまだ目立つと思う。相手のFWとうちのDFが2対1になる状況だったり、相手のFWとうちのGKが1対1になるようなピンチもいくつか見受けられたので、今後はそういうピンチをできるだけ減らして、なおかつ点数は取っていけるようにしたい。(ゴール前で意識していること)先に周りを見ておくことで、例えば、敵の位置が分かっていればシュートが真っ直ぐ飛んでくるか、パスが出るか確率で考えている。状況判断を先にしておくことで次に何が起こるか予想しながらプレーしている。(次戦までに取り組みたいこと)今日の失点もシュートを普通に打たれてそのまま入ってしまい、それはゴーリーのミスなので細かいところを突き詰めてやっていけたらと思う。(次戦に向けて意気込み) 今日はシャットアウトすることができなかったので次先発するときはシャットアウトして、応援に応えられるように頑張りたい」
▼嶋野
「(練習内容は)選手たちが主体となっていて、4年生が今日何やる?と言ったら下級生も含めて全員でメニューを考えるなど自主的な練習が多い。その中でもキーパーからの意見を大事にしている。コーチが口を出すというよりかは選手たちで気づいてやっていくという感じだった。(セットの連携について)チームの中では特にパス回しとか綺麗なホッケーをするようなセットで、試合中とかも目が合うのでやりやすいというより、やっていて楽しい。(試合を振り返って)今日は個人的に2得点・2アシストで、1点目はパスを出してくれたのが高校同じ鈴木だったのと鈴木は違うセットということで入れ違いのときにそういうプレーだったのでうれしかった。(P間でのコミュニケーションについて)P間というより、ベンチに戻ったら「今こここうだったね」とかコミュニケーションを取るようにしていた。(得点シーンを振り返って)1点目はパスいいとこにくれたのでちょっと緊張したけど、2点目は空いていたかなという感じ。(自身のアシストを振り返って)パスというアシストというかシュートを打って、それを打ってもらってという感じなので決めた人がすごいと思う。(次戦までに取り組みたいこと)特に変えることはないけど、コーナーバトルだったり自分も今日負けるところがあったので、そこの正確さが出てきたらもっと厚みのでた攻撃が出ると思う。(次戦に向けて意気込み)楽しみます」
▼根本
「(練習内容は)先週2試合あったけど2試合ともあまり良い試合ができなくて、今日初めて関関同立のチームとやることになっていたが、今日からか本番という感じで気持ちを入れ直して1週間練習していた。(セットの連携について)まだまだ未完成だが、先週よりから良くなってきていて、今日も点決めれたから良かった。(特にどんなことが良くなった?)神山が点を決めたときのプレーが僕たちのセットらしいプレーだったと思う。(得点シーンを振り返って)セット交代すぐで、パックが来そうなところに行ったら来たのでアシストのおかげ。(自身のアシストを振り返って)神山が決めたものは僕からのプレーだが、常にゴールに集めれば何か起こると信じてやっている。(第1Pと第2Pの間でみんなの前で立って話していたが)チームに共有したいなということをみんなに共有していた。ディフェンスからシュートを打つときに、結構相手プレーヤーが目の前に入ってきてブロックすることが多かったので無理にゴールに通さないでゴール裏の方からフェンス法使って届けるプレーも良いよと話していた。(次戦までに取り組みたいこと)今日は立ち上がりが良くなったので3Pみたいなプレーを1Pからできるようにまた練習したいと思う。(次戦に向けて意気込み)次も僕たちのセットが活躍して、試合に勝てるように頑張りたいと思う」
▼髙秀
「(今日までの調子)体のケアもしていたしモチベーション作りにも気をかけていたので良いパフォーマンスでできていたと思う。(1年生から1セット目のメンバーだが)1年生だからといって変に意気込んだりせず一生懸命やる気持ちを忘れずプレーしている。(試合を振り返って)精神的なプレッシャーを感じることなくプレーできたことがよかったと思う。反省点は、パック操作のミスが目立ったこと。初めてのスケートリンクで慣れない感覚の中でのプレーだったが、これからのシーズンに向けて、環境への対応力が課題だと感じた。(得点シーンを振り返って)味方のFWが綺麗なパスをしてつないでくれたのであとは決めるだけだった。チームメイトにとても感謝している。(次戦に向けて意気込み)今回の試合で見つかった課題を活かして次戦もハングリーな気持ちで頑張る」
▼熊谷天智
「(今日までの調子)龍谷・京産戦は緊張があり思うように動かなかったが、試合の雰囲気にも慣れてきて自分のプレーができてきた。(セットの連携について)選手間で積極的に話し合ってうまく行っていると思う。(試合を振り返って)良いところはノーマークをしっかりと決めたところ。悪いところはゴール前で敵に隙を与えてしまったところ。(次戦までに取り組みたいこと)セットが変更されてもされなくても同じセットの選手たちと積極的にコミュニケーションを取る。(次戦に向けて意気込み)まず守りからしっかりと固め、FWに繋ぐ」
▼神山
「(今日までの調子)自分の実力はそこまでだが、チームメイトのサポートもあり結果を出せたりチームの勝利に貢献できていて良かった。(セットのメンバーは神山以外先輩だが)自分がミスをしてもカバーをしてくれたり、ミスを恐れずトライしていけと言ってくれる先輩もいるので自信を持ってプレーをしている。(試合を振り返って)良かったところは点を入れたこと。反省点は守りをもう少しかためられたこと。相手のシュートが味方のGKまで届かないようなポジションやシュートブロックをできるチャンスが何度かあったからそこを直していきたい。(次戦までに取り組みたいこと)次の試合まで練習が何度かあるので今日までの試合でできていないところやダメなところを修正していき、いいコンディションで試合に臨みたいと思う。(事前に向けて意気込み)まずは守りをかため、相手のパックを取ったらすぐにラッシュで相手のゴールまで行きシュートで終われるよう、足を動かして自分の仕事を果たし次の試合も勝ちたいと思う」