スナイプ級で全日本インカレ出場権獲得!

◇2021年度関西学生選手権大会◇9月18~20日◇新西宮ヨットハーバー
[470級]
井堰威瑠(人4)・後藤滉介(シス理1)
山田咲良(人2)・笹木竜斗(情2)
久保旬也(商1)・戸川屋陽生(環都2)
[団体]
5位 関大
[スナイプ級]
福田新之介(経3)・竹中麻結(安全1)
田代彩子(商3)・奥村悠大(法1)/児玉沙耶佳(商3)
増田光(経2)・松岡千咲(人2)
[団体]
3位 関大
[総合団体]
4位 関大
予選敗退し苦汁をなめた関カレから1年、今年もこの大会がやってきた。リベンジを誓い、全員でインカレ出場を目標に練習に励んできた関大ヨット部。唯一の4年生選手である470級の井堰主将や、7月の関西学生個人選手権大会で全国出場を決めたスナイプ級福田・竹中組の活躍に期待がかかる。


台風14号の影響で午前のレースが中止になり、13時に出艇となった1日目。波はやや高いが微風のためAP旗が上がり、14時40分より第1レースが開始された。

最初にスタートしたのは470級。井堰・後藤組が第1レース2位、第2レース3位と強さをみせたものの、久保・戸川屋組と山田・笹木組の成績が振るわない。470級は総合5位で初日を終えた。

スナイプ級では福田・竹中組が3位、増田・松岡組が8位と上位につく好成績を残す。しかし、第2レースで全体的に順位が落ちてしまい、総合4位と順位を落としてしまう。両階級、残り2日で巻き返しを図りたいところ。


快晴に恵まれて迎えた2日目。安定した風も吹くなか、470級がスタートする。井堰・後藤組は前日の好成績から一転、この日すべてのレースを二桁順位で終える。久保・戸川屋組も第3レースで5位と高い順位につけるも、その後思うような順位をマークできない。山田・笹木組は安定して10番台前半をキープするも、一桁順位には届かなかった。470級は前日と同じく総合5位と悔しい結果となる。


団体暫定4位でレースを迎えたスナイプ級。福田・竹中組は第3レースこそ21位と好発進とはいかないが、その後は高い順位をキープする。田代・奥村組は前日の順位を上回る成績を残し、艇順位6位に上り詰める。前日に安定した順位を出している増田光・松岡組。前半は納得のいく結果を出すことができない。しかし、この日の最終レースで6位をたたき出し、スナイプ級は総合3位と全日本インカレ出場圏内に入った。


運命が決まる3日目。朝は風が弱く、待機する時間が続く。レース数減少も危ぶまれたが、無事競技が開始された。

「全員が攻めの姿勢で、1レース目から攻めていく気持ちで臨みました」と、全日本インカレ出場権獲得へ気合いが入っていた470級。その言葉通り攻めの姿勢を貫き、この日最初の第8レースで山田・笹木ペアが見事1位となった。井堰・後藤組は、第8、9レースで4位につけ健闘。ポイントを一気に詰めて4位の背中が見えていた。だが、攻める気持ちが焦りにつながり、井堰・後藤組が最終レースでリコール。「リコールがなければ全日本インカレに行けていた」と、涙をのむ結果となった。



スナイプ級は、田代・児玉組が好走を見せる。「最終日は南風になって自分の好きなコンディション」と調子を上げ、第8レースを1桁順位で終えると第9レースでも躍動。スタートで少し出遅れるも、スピードの速さで順位を上げる。終盤には首位に躍り出て、そのままトップホーンを鳴らした。最終レースも3位となり、チームの最終成績は3位。全日本インカレ出場を決めた。




昨年は両階級全日本インカレ出場こそ果たせなかったものの、スナイプ級の結果に井堰主将は安堵の表情を浮かべた。「初心に帰ってチーム作りをやっていきたい」と、スナイプ級のメンバーは次のステージに標準をあてレベルアップを図る。【文/写真:小西菜夕・上田紫央里・森本明日香】
▼ 井堰主将
「初日は2レースで、まとまった成績、いい順位に入ることができて、2日目で巻き返そうとチーム一同気持ちを整えていたんですけど、2日目でつまずいてしまってあまりいい結果で終えることができなくて。3日目は厳しい順位で迎えてしまったんですけど、最終日でリコールをしてしまって。そのリコールがなければ全日本インカレに行けていたんですけど、普段からできていなかったこととかが大会で出てしまって、その詰めの甘さがあったのかなと思います。4回生2人で取り組んできたんですけど、幹部という括りでは3回生も3人いて。その5人でチーム作りをしてきて、この夏休み中にだんだん形ができてきて、試行錯誤を繰り返しながらやっと成績も出るようになってきたので、4回生だけというわけではなく3回生も、そして下回生が中心なので下回生にもしっかりチームの状況を理解してもらいました。下回生には口酸っぱくいろいろなことを言ってきて、それに付いてきてくれた結果が、去年よりいい成績で終わることができた要因かなと思います。(470級の最終日を振り返って)最終日で守りに入っても仕方ないので、470級の全員が攻めの姿勢で、1レース目から攻めていく気持ちで臨みました。それが、前に行き過ぎてリコールという形になってしまって、結果的には良くない成績で終えてしまったという感じです。やっぱり普段通りの走りができてないというのがレース結果を見てどのクラスもありました。(3日目で一気に追い上げたが)自然相手なので、いつ始まるかわからないという状況で、気持ちの作り方、レースが始まるとなったときの切り替え方とかはしっかりできていた結果があの順位だと思います。ただ、最後は本当に勝ちたいという気持ちが出すぎてしまったのかなと思います。今回は自分個人の問題ですけどチームでこれを教訓にして、これからのレースであったり来年の関西インカレに向けて、目先は全日本インカレに向けて、スナイプで出れるということなのでつなげていってほしいです。(昨年は両階級全日本インカレに出られなかったが)安心といいますか、KAISERSの代表として全国の舞台で戦えることはすごく誇りに思うので、しっかり力を出し切って欲しいと思います」
▼田代・児玉
「(田代)初日は、高校から(競技を初めて)6年目のスキッパーでありながらも不甲斐ない走りをしてしまって、考えられないミスがありました。一番艇の福田が走ってくれたので何とか耐えたという感じで、2日目からは同期の児玉と乗らせていただいて調子を取り戻さないといけないところを引きずってしまった部分も多かったんですけど、最終日は南風になって自分の好きなコンディションで、1日目、2日目よりは前を走ってくれたのでよかったかなと思います。(児玉)この夏休みはレギュラーの争いから始まって、私は4人目のスキッパーとして関西インカレに挑んで、1日目はレスキューボートからのサポートで2日目もサポートからで、チームが勢いづくなかで自分の気持ちをどうやって持っていくかというのも課題でありながら、3回生で1人だけサポートに回っているという悔しさもあって、自分は経験してきたことがあるというのを念頭に置きながらレースを見るように心がけていたのもあり、2日目で急に交代となって乗らせていただいたときも、他の選手と比べて冷静を持ちながらヨットに乗ることができたかなと思います。ポジションも夏休みに練習してきたポジションではなくて下回生のときまでしていたポジションで急遽乗ることになって、久々ではあったんですけど3回生の意地をここで見せないと来年自分が頑張るためにもチーム影響を与えるためにもここしかないという気持ちもあって、それが頑張れた理由かなと思います。(田代と児玉は)1回生のときに1年生コンビとして乗らせていただいていたので、久々に乗ったという感覚もなく、久々に乗ったけど陸上での動きでも呼応する部分はかなりありました。最終的にはトップホーンを鳴らすことができて思い出に残るいい経験だったかなと思います。(3日目のレースではトップも取ったが)トップはずっと欲しかったもので、自分たちにとっても勢いになったしチームのためにもプラスになっていればなおいいなと思います。(コースの相談などで意見が食い違うことがないのは)関大ヨット部の指導陣が何よりも正しくて大きくて、私たちの頭の中に同じものが入っているので、状況に応じて向く思考は最近特に同じになってきていて、いつも教えてくださっていることがそのシーンになったときに頭に浮かぶので、そこが一致しているから意見が分かれないのかなと今日特に感じました。(全日本インカレに向けて)現状として、今日試合に挑んだスナイプチームは全日本インカレというのに出場したことがある選手が1人もいないので、まずは初めての世界に飛び込むという気持ちが一番にあって、かつ今回3位で首位で通ったわけではないことと、体重がかなり軽いことをしっかりと認識して、時間はないんですけどできることは全部やらないと悔しい思いをするかなと思うので、初めて戦いに行く身として、妥協せずにできることを他の大学から教わってでもやりたいです。1クラスでの出場となってしまったんですけど、チームで戦いに行くということに変わりはないと思うので、ここで燃え尽きることなくこの関西インカレに標準を当てて本当に全てを捧げてやってきたので一旦終わりと思ってはしまうんですけど、目指すところはここではなくて全日本インカレなので、もう1度チームで何をしなければならないのか、今足りてないことをしっかりと洗い出して、全日本インカレでは今回のようにちょっと抜けがあった部分とかを絶対に持っていかないように万全な状態でチームとして戦いに行けるように、初心に帰ってチーム作りをやっていきたいと思います」