[なでしこ]秋季リーグ開幕2連勝!

◇2021年度関西女子秋季リーグ第2節◇帝学大◇9月18日
【前半】関大0-0帝学大
【後半】関大1-0帝学大
【試合終了】関大1-0帝学大
前節の逆転劇から1週間。引き続き勝ち点3を得るべく気合が入るなでしこ。アップの時点からその気合は声に現れ、夜のグラウンドに響きわたっていた。試合開始のホイッスルが鳴った後も関大の勢いは止まらない。高いボール保持率で試合を有利に進める。一時はゴール前でのプレーを生むことができない苦しい時間があったが、ベンチメンバーの掛け声を後押しに、後半にはFW田中光紀(安全2)がネットを揺らす。常にマイボールを心掛けることでこの1得点を守り切り、開幕2連勝を果たした。

関大のキックオフで試合がスタート。開始後、得点のチャンスが早速訪れる。高いキック精度を誇るDF中尾純菜(社2)のコーナーキック(CK)はゴール前の仲間の頭上に。しかし、相手DFにヘッドでクリアされてしまう。その後はDF南中優衣(人2)が相手からボールを奪い、センターマーク付近から敵陣中心で待機するFW滝沢雪乃(人2)にパス。そこからシュートを放ちたい瞬間があったが、相手が堅いディフェンスを見せた。



前半1番の好機は12分。相手コーナー近くでDF南中がスローイン。ゴールを決められまいと焦った帝学大がCKを関大に与える。DF中尾が蹴るタイミングで、MF𠮷尾香音(社1)が前に出ることで相手を引き寄せ、ボールが落ちる地点に敵が少ない空間を作る。ただ、そのボールは再び頭を使ったクリアを食らいゴールから遠ざかるが、粘るなでしこ。この日3度目のコーナーキックはDF真木悠花(文3)のヘディングを経てMF塚原碧衣(政策3)の元に。だが、ゴールには至らず。前半序盤、何度か得点のチャンスを物にすることができない。



怒涛の展開後は帝学大ボールの時間が増えてきた。関大も1人1人にぴったり付くが抜かれることが多くなる。危ない瞬間は32分にも。GK前最後の1枚を担うDF林祐里(人3)をすり抜けGK井上沙季(商3)の出番がやってきた。ボールの動きを瞬時に予想し、ゴール前左側に駆け寄りセーブ。「チームの守備の要と呼ばれるように頑張りたい」(GK井上)。まさに守備の要として活躍したGK井上に鼓舞されたメンバーたち。前半折り返し寸前には、好機をうかがう途中、FW田中光からMF笹部麻衣(人4)にパスが回るが、リターンを相手選手に取られてしまう。そのボールをすぐに取り返し、相手が自由に操作する時間を一切与えないFW田中光。好プレーは続くものの点につながらず前半を折り返す。





前半、無得点であるが調子の良い形で終わったことで後半も調子の良い入りを迎えることができた。前半は守備面で苦しめられていたが、徐々に帝学大ディフェンスに慣れてきた関大。DF真木は相手を抜いてFW瀧沢に託す。瀧沢もそれに応えようとシュートするが、ボールがゴールに吸い込まれる瞬間とはならず。後半15分、その瞬間がついに到来した。DF南中が出したグランダーパスにFW瀧沢が反応。混戦の末、FW田中光が先制点を決めた。「周りのチームメイトが頑張って粘ってくれたおかげでチャンスが生まれた」とFW田中光。全員サッカーでつかんだ1得点だった。



DF笠原黎里花女子主将(社4)が「(FW田中光の一弾は)チームとしてもその1点で救いになった」と振り返るように、FW田中光は大きな役割を果たし、86分FW井上麻衣(社4)と交代。交代後、なでしこに追加点のチャンスが舞い降りる。自陣での危ないボールを拾ったMF塚原が逆サイドに待つMF笹部に回す。MF笹部がフリーの状態で前に出るが最後は止められそのまま試合は終了。

春リーグ2位という好成績で終幕し、秋リーグも初戦に続き2連勝で登り調子のなでしこ。1部でも目立つ存在となってきた。次節は春リーグで完敗を喫した強豪と戦うこととなるが、今の勢いに乗って勝ちを収め、さらに注目されるチームに躍り出る。【文:木原綺音/写真:牧野文音】
▼DF笠原主将
「(前節から1週間で)マイボールの時間をどれだけ自分たちのペースで持っていけるかと、苦しい時間をどれだけ耐えて最後に勝てるかを話し合っていた。今日も苦しい時間があったが全員で粘って勝ち切れて良かった。(前半について) 前半もボール保持率が高かったと思っていて、その中でゴール前の決定的なチャンスがほとんど無かったと感じているのでこれからに向けてゴール前のところは課題だと思う。(シュートシーンを振り返って)田中が前節出ていなくて今節から出てという部分で、本人自身も緊張もあったけどきっと思いも強かったと思う。試合を通して色んなことにチャレンジしながら最後点を取れたことがチームとしてもその1点で救いになったし本人としてもこれからにつながっていけば良いなと思う。(シュートまでは)瀧沢が1つ前で粘ってというシーンがあって、今日結構瀧沢が前線で粘ってくれてそれがマイボールになったというシーンが多かったので、そういう部分ではFW2人に助けられた試合だと思う。(1部に上がってきた帝学大について)何度か違うところで試合をしたこともあったが、簡単に勝てる相手ではもちろん無いと分かっていた。90分通して自分たちの時間を作ることを徹底していた。勝ち点3を取りたかったので勝てて良かった。(次節に向けて)春リーグで完敗してる相手なので、気持ちの部分でまず絶対に負けないということと、1週間まだあるので気持ちも頭も体調もしっかり整理して全員が良い準備して臨めて、また勝ち点3取れるようにしたい」
▼FW田中光
「(調子は)全体を通して緊張してしまって、あまり良くなかったが、周りのチームメイトががんばって粘ってくれたおかげでチャンスが生まれた。シュート数が少ないなと自分の中で思っていたので、その1本を決め切れたのが良かった。(帝塚山について)1人1人個人技とか戦術とか、技術力がすごく高くて、2部から上がってきたとは思えないぐらいのレベルの高さで正直結構圧倒された部分が大きかった。(見つかった課題)1点決まっただけで、ゲームを全体を通して調子はあまり良くなかったので、これからはゲームの内容にもこだわって、シュートも決め切りたい。(次節に向けて)次節はまたレベルが高くなって勝ち切るのが難しいし、(シュートを決める)チャンスも少ないと思うけど、チャンスが来たときにはしっかり決め切れる選手でありたいと思う」
▼GK井上沙
「 (前節から1週間で) 個人的にはいつも通りをベースに置いていて、今週練習中から調子がそんなに悪くなかったので、食べ物などもいつも通りを心がけていた。今までであればカチカチにタンパク質が〇〇㌘・脂質〇〇㌘など細かく調整していたが、いつも通り好きなものを好きなタイミングで多少加減しながら食べていた。体重が8㌔落ちていたが、2.5㌔ぐらい戻してちゃんと食トレできてきたことが大きいと思う。(印象に残ったプレー)自分のプレーより、田中光が決めてくれていたのがグサりときた。(帝塚山について)相手チームの指導者の中に自分がJFAでお世話になった人がいて、やはりサッカーの戦術など教えてもらっているんだなと感じた。(見つかった課題) キックの精度と上手くいかなかったときや想像と違ったプレーがあった後に余裕が無くなって情緒が乱れたりするところはまだまだ課題だなと思った。(今後の意気込み)リーグ今日も無失点だったが、これからも無失点でチーム守備の要と呼ばれるように頑張りたいと思う」