[なでしこ]聖泉大との一戦は引き分け。首位争い演じた激闘の春終える

◇2021年度関西学生女子春季リーグ最終節◇対聖泉大◇7月11日
【前半】関大0-0聖泉大
【後半】関大0-0聖泉大
【試合終了】関大0-0聖泉大
6戦を終え勝ち点12。試合前の時点でリーグ首位に立った関大なでしこは昨年のインカレ出場校である聖泉大に挑んだ。勝利すれば優勝も見えてくる大一番で、序盤の流れを関大が支配する。だが、相手の堅い守備に苦戦し、後半は自分たちのペースを取り戻せない。スコアが動くことなく引き分けで試合を終えた。


試合開始直後はMF笹部麻衣(人4)やFW成迫実咲(人4)がサイドを崩す攻撃を見せ、15分にはコーナーキックを獲得する場面も訪れる。DF中尾純菜(社2)の放ったボールは合わなかったが、FW森重亜衣子(政策2)がミドルから狙うなど、相手ゴールを脅かす展開を見せた。




お互いに攻める場面があるも、両者得点を動かすことができない。バックラインのDF林祐里(人3)やDF南中優衣(人2)も積極的に前へ上がり、MF田中杏実(人3)が中盤でのボールキープを見せる。だが、あと少しのところで得点には至らない。守備面でも今季初出場となったGK井上沙季(商3)の好判断もあり、前半を両者無得点で折り返した。




交代なしで迎えた後半。勝利のためには早い時間での1点が欲しいところ。3分にはFW成迫からMF塚原碧衣(政策3)につないでシュートを放つが惜しくも枠外へのボールとなる。DF真木悠花(文3)が対人守備の強さを見せる場面や、FW田中光紀(安全2)とFW瀧沢雪乃(人2)を投入し流れをつかみたい関大だったが、徐々に相手ボールが続く展開となってしまう。




相手の時間が長く、自分たちでボールを収める時間が続かない。相手のクロスボールはGK井上沙がしっかり対処し、中盤からMF吉尾香音(社1)のスルーパスでチャンスを演出するが試合終盤でも得点が入ることはなかった。36分にはMF和田温菜(人4)を投入し、流れを変えようと画策。試合終盤でこそ攻撃のリズムをつかんだかのように思われたが、大きく展開が動くことはなく試合終了となった。



今までの関大なでしこからすれば1部リーグで勝ち点13は快挙といってもおかしくない数字。だが、優勝が目の前に迫っていたからこそ、この結果でも満足はいかない。「目指しているのは日本一なので、ここで負けたらそういうところにはつながっていかない」とDF笠原黎々花女子主将(社4)。高く見据える目標へ一歩近づいた関大なでしこ。「全員サッカーで日本一」を体現する日はそう遠くない。【文:宮本晃希/写真:宮本晃希・松尾有咲】
▼DF笠原女子主将
「連戦ということもあったんですけど、大会が違っていたこともあるし、優勝を目指しているリーグに向けて全員が切り替えて準備して来れたとは思う。今日勝つことだけが優勝につながるので、勝とうということを話していた。相手も連戦で、疲労度があるのはお互い様だったので、何とも言えないところ。後半の中盤あたりまでは相手にボールを持たれることが多かった。そこでマイボールにできなかった時間が長くなったことが苦しかったところ。相手の時間が長いと、焦って前に蹴ってしまったりしている。自分たちのペースがつかめないときに、自分たちのサッカーを体現できるよう、ピッチ内で改善できるようにしていきたい。(今後に向けて)今月で言えば皇后杯、秋リーグだと日本一につながる直接的な試合で、意識するのはどの試合にも勝つこということ。目指しているのは日本一なので、ここで負けたらそういうところにはつながっていかないと思う。自分たちのやりたいことを整理して、負けた相手にはもう二度と負けないようにやっていきたい」
▼MF笹部
「チームとしても自分たちのサッカーをしようと言ってこの試合に入った。最終節ということもあり、絶対勝たないといけない試合。勝ったら優勝もあった試合だったけど、マイボールにする時間が後半で少なくなってしまったのを後半で感じた。そこでどれだけ相手に蹴られても、自分たちの時間を増やしていくことが課題だと感じたので、秋リーグは攻撃の時間を増やしていきたい。(昨日からの連戦について)昨日は負けてしまったので、今日は絶対勝って2連敗だけは避けたいということを話していた。みんなも疲れているけど、相手も同じ状況だったので、どんな状況でも相手より走って勝つことを、チームで一つになろうと話して挑んだ。(春リーグを通して)チームとしては、今までの女子チームの結果を考えたら歴史は残せたのかなと思う。でも、目指しているのは日本一で、そこに向かう過程としてはまだまだ足りていない部分を感じることがこの春リーグでたくさんあった。そこをしっかり見つめ直して、自分たちの課題は何なのかと、これからどうしていくかを秋に向けて振り返る。そして、秋では優勝して、インカレでも日本一になってチームの目標を達成したい。(今後に向けて)ここから期間が空いてしまうけど、秋リーグに向けてチーム一丸となって、練習からサッカー部全体の目標である全員サッカーで日本一に少しでも貢献できるように意識づけてやっていきたい」
▼GK井上沙
「勝ち切りたいと言っている中で、無失点で終われたのは良かったのかもしれないけど、やっぱり点が欲しかったのと、勝ち点1と3では大きな違いなので、そこは個人としてもチームとしてもまだ弱いところなのかなと思う。私自身、けがをしてしまって大きなピッチで試合をするのは半年以上空いていた。昨日の夜に試合に出ることが分かって、出る人だけではなくて、サブのメンバーも声をかけてくれたりして、自分は絶対に点を入れられてはいけないのだと強い気持ちを持って戦えたと思う。毎試合そうだけど、試合に出ていない人が、ビデオを撮ってくれたり、アップしながらでも声を出してくれたりするのが関大の良いところ。そこは今回、自分がピッチに立って改めて感じたのと、仲間からの声は助けられるなと思ったのでそこは今回も良かったと感じている。(今後に向けて)これで一区切りは付いたと思うけど、秋もあるし、自分たちの目標はチームとしては全員サッカーで日本一、女子チームはインカレに出て日本一を獲ること。まだまだ強くならないといけないし、練習してうまくならないといけないと感じた」