明日へつながる大きな1勝!関学大1回戦を制す

令和3年度関西六大学連盟春季リーグ第5節◇対関学大1回戦◇4月15日◇わかさスタジアム京都◇
関大000 100 013=5
関学010 001 000=2
(関)山下、松尾―谷村
(学)上村、稲益、池端―岡田
1(遊)東條
2(中)加藤
3(三)今井
4(指)鈴木
5(一)西本
6(捕)谷村
7(右)吉田
8(左)諸木
9(二)小玉
ここまで4勝4敗の関大準硬。負ければ引退が決まる状況で迎えた最終節の相手は関学大だ。序盤は両校の投手が力投を見せ、速い展開でゲームが進む。細かい点の取り合いで、最終回を2―2の同点で迎える。すると、林風太(商2)の安打から打線がつながり見事勝ち越し。明日への望みをつなぐ勝利を収めた。

先発の山下浩司(化生2)は初回を無失点で抑えるも、2回に一死の場面で三塁打を放たれる。続く打者には四球を与え、その後に右前の安打から先制点を許す。後続は併殺に打ち取るが、苦戦を強いられる状況となった。

打線は関学大の上村洸からなかなか安打を放つことができず、点差を縮めることができない。だが、転機が訪れたのは4回。先頭の今井怜央(人3)が右前への安打を放つと、相手の暴投から一気に三塁まで進塁する。そして、鈴木成大(安全4)の遊ゴロの間に今井が本塁へ生還。同点に追いついた。




山下は2回に得点を許すも、その後は安定した投球で関学打者を圧倒。しかし6回、4番・橋本に左越の本塁打を放たれ、リードを許す。このまま流れを持っていかれるかと思われたが、落ち着きを見せ後続を断ち切った。
なんとか追いつきたい関大。7回にはチャンスが訪れるものの得点には至らない。先頭の谷村駿也(人3)がフェンス直撃の左越二塁打を放つと、続く吉田凌馬(人3)がセーフティバントを決める。無死一、二塁のチャンスとなり、代打で正池遼(社4)と福山誠太(経3)を起用するが、相手にうまく抑え込まれ得点を挙げることはできなかった。






迎えた8回。相手投手が稲益に代わると、加藤陽也(人2)が四球を選び、鈴木と西本有希(情3)の連続安打でゲームを振り出しに戻す。後続こそ続かないものの、最終回へ向け関大のペースをつかむことに成功した。


そして最終回。引き分けで終わることも許されない関大は、最後の攻撃にすべてを懸ける。先頭の正池は二ゴロに倒れるも、続く打者に代打の林が登場。カウント2―1の場面で左前へのヒットを放つと、東條光希主将(安全4)も続き、加藤が四球を選ぶことで一死満塁のチャンスへ。そしてこの場面で打席に立ったのは今井。「みんながつないでくれて自分に回ってきて、ベンチからも声をかけてくれた」。仲間の声援を力に変え、振り抜いたバットから放たれた打球は左前へ落ちる。値千金の勝ち越し打を放った。そして、鈴木の犠飛や相手の失策からさらに2点を追加。3点差で9回を終えた。





その裏、ここを抑えれば勝利が決まる大一番。マウンドに立つのは8回から登板している松尾尚矢(経2)だ。プレッシャーのかかるこの場面だが、1三振を含む3者凡退の投球を見せ、関学大1回戦で白星を挙げた。


「しっかり全員で戦えてこの1勝を取れたのは大きいこと」と東條主将。次のステージへ進むためには明日の勝利が欠かせない。何としてでもつかみ取る。東條準硬を終わらせないために。【文:宮本晃希/写真:宮本晃希・小西菜夕】
▼東條主将
「しっかり全員で戦えてこの1勝を取れたのは大きいこと。もう勝つしかないので次につなげられるようにする。ミスもちょくちょくあって、自分も一死満塁のチャンスが回ってきたときに打てなくて、流れを相手に回してしまった。でも、山下とか松尾が抑えてくれて流れを相手に持って行かせなかったのが最後逆転できた要因になったと思う。下級生がめちゃくちゃ頑張ってくれているので、明日は4回生がチームに貢献できるようにやっていきたい。山下は粘り強く投げてくれたと思う。この春リーグを通して山下のおかげで勝てているので感謝している。怜央とか西本とか、他の下級生も活躍してくれているので、そこもいいところ。(明日に向けて)1敗もできない状況で、明日負けたら終わり。ずっとこの春リーグでは1勝して1敗するのを繰り返している。明日は総力戦になると思うので、全員で勝ちにいけるように準備していく」
▼鈴木
「上村が来るというのは分かっていたので、接戦になるというのは想定していた。苦しい中でも勝てたのは良かったと思う。(自身のプレーについて)打点は付いたけどタイミングは合っていなくて、逆方向を意識した結果になった。(最終節に向けて準備してきたことは)最後はもう勝つだけなので、全員が勝ちに向かって役割を果たして頑張ってきた。(最後のリーグ戦について)4回生があまりメンバーに入れていない中で、外れた4回生のためにという気持ちは持っている。チャンスで打てるようにしっかり準備していく」
▼今井
「とりあえず負けたら終わりの中で、勝つことができて明日につなげられたのはよかった。今日は山下とかが頑張ってくれて僅差に持っていけた。最後はバッター陣が点を取って、勝てたのは明日につながるいいところ。(最終回の勝ち越し打について)みんながつないでくれて自分に回ってきて、ベンチからも声をかけてくれた。緊張はしたけど、今までリーグ戦の中であまり貢献できていなかったので、最後に貢献できてよかった。(自身のプレーについて)悪くなかったと思う。自分なりにはいい出来だったと思うのでこれを明日にもつなげていく。(明日に向けて)もう勝つだけ。どんな形でもいいので勝って次のステージに進めるように頑張る」