男女全国準V!
◇第65回全日本学生選手権大会◇12月6日◇大阪府立体育館◇
【男子】準優勝
【女子】準優勝
【技能賞】植田
新型コロナウイルス感染拡大の影響で今年度は大会のほとんどが中止に。全日団体がこのチームにとって最初で最後の団体戦となった。男女とも多くの選手が躍動し、頂点まであと一歩のところまで迫った。
先に行われたのは男子トーナメント。初戦では7人全員が白星を挙げ、快勝した。続く3回戦では立命大と対戦。先鋒・籠谷郁吹(経1)が2-0で勝利すると、続く桑原良弥(商2)は敗れたが、三鋒・村鞘風太(商3)と中堅・川内宝(商1)が白星を挙げ、3勝1敗とした。三将の植田甫空杜(ほくと=法2)は開始後1分で相手の突きが決まり先制を許す。しかし、得意の組み技で取り返し試合を振り出しに戻した。残り時間が30秒を過ぎた時、再び相手から1本を奪い準決勝進出を決める白星を挙げた。


続く準決勝で対戦したのは、昨年王者の龍谷大。最初の2人が敗れ苦しい状況となるも、この試合は三鋒で出場した植田が圧勝で1-2とする。その後、中堅の佐野晃太朗(政策3)が敗れるが、川内が白星を挙げ勝利への望みをつなぐ。残る2人が勝利すれば決勝進出が決まる。副将・井塚大資(商4)が前戦でのけがの影響がありながらも勝利をもぎ取り、続く灰谷佳大主将(商4)も2-0で勝ち、決勝進出を決めた。




その後行われた女子トーナメントでは、初戦の龍谷大戦を全勝し準決勝へ進出。準決勝の青学大戦では、福山莉央(文2)が白星を挙げ、勢いづけると、尾藤はるな(文3)、唐澤志保(文4)が圧勝し危なげなく決勝進出を決めた。


迎えた決勝。頂上決戦で相対したのは今年も立命大だった。先鋒・福山は強敵を相手に果敢に攻め込む。しかし、2本先取され敗戦を喫した。続く尾藤は開始直後に突き技で2本を先取し、試合の行方は大将戦へともつれ込んだ。関大の大将は唐澤。公式戦での対戦経験が無い相手に苦戦を強いられる。「自分の拳法をしよう」と終始攻めの姿勢を貫いたが相手に軍配が上がった。



その後行われた男子決勝では強豪校・明大と対戦。先鋒、次鋒と敗れ苦しい状況となるも、川内、佐野が続けて勝利し試合を振り出しに戻す。続く植田も白星を挙げ、優勝へ王手をかける。しかし、井塚、灰谷が敗れ、惜しくも王座には届かなかった。



今年度最初で最後の大舞台で男女とも、準優勝に輝いた。上級生も下級生も活躍を見せた今大会。今後への期待が高まるものとなった。「僕らの分まで来年優勝してその後連覇して、関大でつないでいってほしい」と灰谷主将。目標の男女アベックVが現実となる日は近い。【文:金田侑香璃/写真:木原絢音】
▼灰谷主将
「決勝までいけて、みんないい感じで、チームの流れも良くて、その中で決勝に行けた。正直力負けというか、俺が最後負けて終わったけどチーム全体として明治と力の差を感じた。2位という結果で、すごく残念だけどいいチームだったと思う。準決勝の龍谷大との試合が1番印象に残っている。去年龍谷が優勝していて、挑戦の気持ちで臨んで、いい流れでチームで勝てた。めちゃくちゃアツい試合だった。龍谷がそれまでの試合のメンバーとガラッと変えてきて、後ろ3人が絶対勝たないといけない状況だった。そこできっちり勝てたのが良かった。今日はみんな良かったと思う。正直、活動できた時間はすごく短くて。オンラインを通しての活動はもちろんあったけど、実際に会ってやることはできなかった。防具練習もあまりできなくて基礎練習がほとんどだった。それはそれでいろんな発見があった。みんなこの大会に向けて一致団結してきた。いい意味で上下関係なく盛り上がって練習がだきた。それがこの結果に繋がったと思う。来年は男子は俺ら2人しか抜けなくて、ほとんどメンバーが残ってる。優勝の可能性は全然ある。僕らの分まで来年優勝してその後連覇して、関大でつないでいってほしい」
▼唐澤
「悔しかったけど、自分の中で達成感はあります。夏までは基礎練習とかが中心で、防具練習や実践練習ができなかった。実践練習が9月から始まったことで、自分たちが基礎練習で培ってきたものを生かすことを一生懸命やってきた。それがこの結果に結びついたと思う。2試合目で、みんなが一人一人前に出てできてて3人とも完璧な試合だった。とりあえずいつも通りということを心がけた。あまりみんな緊張してなかった感じではあったけど、体が一試合目に全然動いてなかったというのもあっていつも通りの動きをできるように一つずつ動きなどの確認はした。去年も立命で、私は絶対に大将で、角野か坂本が来ると思っていて。坂本選手と公式戦で一度も当たったことがなくて、自分の中でデータ全然なかった。とりあえず先に前に出る、自分の拳法をしようと思った。だけど、向こうの方が一枚上手だった。勝てなくて残念だったけど、やっぱり上手いなと実感しました。今年の女子は今までで一番仲が良かったんじゃないかなと思います。最後はこの4人だからこそいろいろ話し合って練習も組んでいくことができた。この4人だから良かったと思うこともたくさんあった。この4年間は結構しんどかった。すごくしんどかったけど、その分去年は全日で優勝、今年もこうやって準優勝と大きい大会で結果を残せた。それが自分の中でも一番のモチベーションになってた。関大の拳法部に入ったからこういう結果を残せたと感じます。来年も厳しいと戦いが続くと思うけど、また立命と当たったときは絶対に倒して欲しい」
▼井塚
「今回、コロナウイルスの影響で練習も十分にできない中、今できることをしっかりやってきた。全日も開催されるか分からないなか、モチベーションを上手く保てた。それがこの結果につながったのかなと思う。毎回、ほんまに楽しんでやろうってことを言ってきた。下回生を中心に伸び伸びと練習してきた。この大会も下の学年がたくさん勝ってくれて、支えられた。下の学年にはすごく感謝しています。2試合目で肩が外れて、でも龍谷の時に僕が勝たないと絶対にダメた状況だった。あそこで、外れたけど根性で勝ちました。龍谷が前半に主要メンバーを固めてきて、意外だった。勝たないといけないところで、しっかり勝てていたことが勝因。全員で取った勝利だと思う。決勝は、結果を見たら4対3の僅差だと思うけど、明治との実力差は大きいと感じた。僕か灰谷のどちらかが勝ったらというところだった。そこで勝てなかったのがほんとに悔しい。来年、再来年、次の世代に託したい。この4年間、ほんまに厳しくて、激しい練習を週6回やってきたなかで、最後の最後で、開催されるかギリギリまでわからない中で全日が開催されて、最後の最後で練習してきた成果を出せたかなと、努力が実ったかなと思います。下の子たちが、今回もめちゃくちゃ勝ってくれたのでこれからはOBとしてたまに練習に行ったりしながら後輩たちを育てて次の世代に優勝は託したいです」
▼植田
「去年も団体のメンバーとして出ていたけど、去年も全勝で終われた。今年はそのプレッシャーもあって絶対に勝たないといけないというのがあった。その中で全部勝てて本当によかった。立命戦で、僕が負けたら危ない試合だった。そこでしっかり勝てて、チームも勝ち進めてよかった。調子は100%ぐらい良かった。今日が4回生とできる最後の試合だったので、今まで本当にお世話になってきたから優勝を届けたかった。準優勝という結果で終わってしまったけど、吹っ切れたというか、気持ちよく終われたと思う。立命大戦では先に一本取られて、取り返して、最後ギリギリのところで取れた。相手は元々パワーがすごくあるって知っていたので僕の得意な組みで、組に行っても危ないと思った。パンチも結構出した。今日は突きでも一本が取れて、少しは成長したかなと思いました。来年は新しいメンバーも入ってくるのでチーム全体のレベルが上がると思う。西日本、全国選抜、全日、全部優勝できるように頑張りたい」
▼尾藤
「正直、全日とかの大きい大会ってプレッシャーすごいから例年『無くなったら楽やな』とか甘いこと考えてたけど、こういう状況になって、試合があったからこそ充実する部活なんだと改めて実感した。めっちゃ特別な思いで、ここは絶対良い試合したいって思って臨みました。2回戦目で、後輩の福山が、今日が大きい大会初めてだったのに勝ち取ってきて、しかも前に出て。それに感銘受けて、後輩が頑張っている中、先輩が取らなあかんと思ったところから1試合目私も動き悪すぎたけど、その姿を見て2試合目動けたってのはあった。今回こうしてちゃんと結果が残せたっていうのは間違ってなかったんやな、4回生の方針と合ってたんやなって思いました。強いのは当たり前やけど、頼りになる先輩になりたいから、ここぞって時、ここ絶対取らないとあかんっていう場面で『この人なら勝って帰ってくるやろ』そういう存在になれるように圧倒的に強くなりたいって思います」