阪南大に4失点、完敗。
◇第98回関西学生後期リーグ第1節(延期分)◇対阪南大◇ 11月29日◇
【前半】関大0―2阪南大
【後半】関大0―2阪南大
【試合終了】関大0―4阪南大
※無観客試合
約1カ月ぶりに迎えたリーグ戦。上位争いに食い込むためにも、勝ち点をつかみたいところだったが、自分たちのペースに持ち込むことができず、4失点の完封負けを喫した。


紫紺の戦士たちがリーグ戦のピッチに戻ってきた。第8節の甲南大戦ぶり。気温はすっかり寒くなり、動いていなければ震えてしまうほどだ。しかし、関大の選手たちは、寒さに負けない熱い闘志を持ってゲームに臨んだ。
立ち上がりは、一進一退の攻防。今節スタメン起用のMF松本歩夢(文4)はセンターから左に切り込んでいきチャンスを作る。DF坂口貴哉(人4)はライン際で粘り、コーナーキック(CK)のチャンスをもたらした。しかし、CKを相手GKに弾かれると、カウンターのピンチに。ゴール前に迫られるも、ここはMF草刈龍星(法3)が冷静に対処した。FW沼田駿也(政策3)にボールが回ると、積極的に前線に運んだが、相手の堅い守備に阻まれ、シュートには至らない。MF梅津克貴(社3)の丁寧なボールさばき、MF松本歩のスピードのあるビルドアップからの精度のいいクロスと、見せ場はあるものの、ゴールとはならないもどかしい時間が続いた。





25分、フリーキック(FK)からチャンスを得た阪南大は、ゴールやや遠目からシュートを放ち、GKの頭を越える一発を決める。ここから阪南大がペースをつかみ、立て続けにセットプレーからゴールを脅かした。それでも、DF浅羽悠成(安全3)は落ち着いてクリアし、GK高村優太郎(化生4)も前に出て体で止めた。しかし、前半終了間際、軽いボールが跳ねてゴールに吸い込まれ、追加点を許してしまう。守備の好プレーがあっただけに、痛い失点だった。


「終わってないぞ、下向くな」。そんな声がベンチメンバーから掛かる。後半では、来季からのプロ入りも決まっているDF長井一真(社4)を右サイドバックとして投入。さらに、MF谷岡昌(社1)が1年生で初のリーグ出場を果たした。逆転を狙う関大。2人のプレーに一層期待がかかった。


5分には、相手のCKでピンチを迎えるも、MF植田聡太(法4)が冷静に外に出し、その後もDF吉田伸弘(法3)が相手攻撃の芽をつんだ。だが8分、相手のシュートを弾いたかと思われたが、そのこぼれ球を相手が速い弾道で確実にゴールネットに収める。阪南大の勢いは後半になっても緩まらなかった。FW木戸口蒼大(情4)を投入し、関大も攻撃を仕掛けたいところだったが、カウンターからピンチに追い込まれ、ミドルシュートから4点目を決められる。選手たちは思わず肩を落とした。


それでも、得点への意識を仲間に呼びかけ続け、ミドルシュートなど自ら積極的にゴールを狙ったのはDF長井。外れると悔しさを露わにし、闘志をみなぎらせた。FW木戸口からパスを受けたFW福原涼太(経4)のシュートは相手DFに当たり惜しくも外れる。その福原に代わり、入ったFW久乗聖亜(政策2)もDF長井からボールをもらいゴールを狙った。その後もDF長井やDF坂口が後ろから攻撃に参加するも、得点には至らず。DF小山新主将(商4)もFKから持ち前のキック力を見せるも、GKに弾かれる。終盤は途中出場のFW宮脇和輝(情3)がクロスを供給するなどチャンスを演出したが、結局無得点のまま試合終了のホイッスルを聞いた。




完敗だった。「悔しいし、情けない。完全に相手の方が勢いも上だった」とDF小山主将。久しぶりのリーグ戦はいつになく悔しい結果となった。

新型コロナウイルスが猛威をふるい、引退に追い込まれたり、大会がなくなったりした関大体育会の他部活もたくさんある。その中で、ピッチでまだ戦えている。リーグ戦は残り2戦。まずは次戦の関関戦で勝ち点3をつかみ取る。【文:勝部真穂/写真:宮本晃希】
▽前田雅文監督
「立ち上がりは悪くはなかった。だが、相手の左サイドバックの選手にシュートを決められた。(相手の)シュートもうまかったし、一瞬足が止まってしまって、気落ちしてしまったところもあった。そこからなかなかうまくいかない時間帯が続いて、前半最後のところでまた失点してしまったところが、チームとしても痛かった。(調整は難しかったか)今年はこういう状況の中でもやっていかないといけない。試合ができるだけでも、選手にとってうれしいこと。全国に行くには難しくなってしまっていたが、その中でも公式戦ができているということ自体が学生にとったらいいことだと思う。もちろん、その中で勝っていきたいが、そういうところにも目を向けて、一戦一戦戦っていきたい。(「連続して」と声掛けをしていたが)サッカーではセットプレー以外はずっと連続して、攻撃から守備、守備から攻撃とやるが、そこにハードなところがあり、自分たちが活動できていない時もあった。連続性がなかなか出なかった。選手は精一杯やってくれるが、なかなか準備できていないという状況だったので、こっちが声でサポートして、選手の頭への働きかけも意識していた。阪南の前線からの守備が激しいので、なかなか(フィニッシュまで)ボールを持っていけなかったりすることが多かった。関大の子たちが頑張って相手を剥がしたり、うまくコンビネーションで崩した時には、(得点機に)なりかけてはいたが、回数的には少なかった。(DF長井選手は後半から右サイドバックとして出場していたが)センターバックで普段はやってもらっているが、サイドバックも全然できる選手。本人もサイドバックが苦手という意識もないし、攻撃的なところも出していきたいと思っていると思う。こちらとしては、センターバックで後ろからビルドアップと言うよりはもっともっと相手の深い位置で攻撃を仕掛けられるようなシチュエーションの右サイドバックに持っていった。けがもあってやっとここ1週間くらいでまともに練習できたというところだった。3週間くらい離脱していたのもあってサブからのスタートだった。(次戦は関関戦だが)関関戦は学校と学校の対決というところもあって、サッカー部だけでなく、それを超えた戦いにもなってくると思う。準備期間としてはなかなか難しいと思うが、その中でもしっかりやって、勝ち点3を取れるようにやっていきたい。(スタメン起用だったMF松本歩選手、FW福原選手について)福原にしても松本にしても本来ならスタメンの実力のある選手で、去年から出てた選手でもあるので、特に遜色はなかったと思っている」
▽DF小山主将
「シンプルに悔しい。この結果、情けないと思うし、応援してくれる仲間とかいろいろな方々がいて、この試合を行うことができた中で、強い気持ちを持って、勝つという気持ちを持って挑んだ試合だったが、なかなか結果が付いてこないで、0-4という不甲斐ない形で終わった。主将としてもすごく責任を感じている。悔しいし、情けない。調整が厳しいのはわかっていた。その中でどううまく調整していくか、ひとつ大事になってくると思っていた。(調整期間が短いことを)言い訳にしたくなかったので、何としてでも勝って、勢いに乗って来週再来週につなげたかったが、結果としては完全に相手の方が勢いも上だった。そういう意味では調整の難しさも感じた試合でもある。(ペースがつかめなかった要因は)ひとつは、公式戦の緊張感とか相手の圧力に対して、自分たちが練習でやっているようなプレーがチームとして出せなかった。日ごろの練習の中から、緊張感だったり圧力をお互いに求めていかないと、こういう緊張感のある試合になったら、いつもやってないようなプレーが出てしまって、仲間と意図しているところが合わないということがあった。そういうところも課題なのかなと思う。(次戦の関関戦に向けて)チームとして落ち込んでいる時間はない。この試合は多く課題も出たと思うので、一つ一つクリアにしながら。関関戦は特別な一戦なので、絶対に負けられない。そこに向けてもう一度気持ちを立て直して、プレー面も今回の試合で合わなかったところを、1週間の練習の中で合わせていって、コンディションと気持ちを作って挑みたい」