甲南大に快勝!4年生ラストゲームで有終の美飾る
◇2020年度関西学生秋季リーグ順位決定戦◇対甲南大◇11月23日◇於・立命館OICフィールド◇
[第1Q]関大2-0甲南大
[第2Q]関大0-l甲南大
[第3Q]関大2-0甲南大
[第4Q]関大2-0甲南大
[試合終了]関大6-1甲南大
4年生ラストゲームを笑顔で締めくくった。昨年1部昇格を果たし、最初で最後のリーグ戦に挑んだホッケー部男子。最終戦となった甲南大との対決は、終始関大ペースで展開。最終クオーター(Q)では4年生全員でフィールドに立ち、有終の美を飾った。

試合開始直後から主導権を握った。第1Q5分、FW粕渕正真(人2)が先制点を挙げる。その後も相手に隙を見せることなくゲームを進め、残り2分を切った時点でペナルティーコーナー(PC)を獲得すると、MF水川幹也(経2)がストレートで押し込み追加点。2点をリードし、第1Qを終えた。


好調の滑り出しを見せた関大だったが、第2Qは苦戦を強いられる。強気なプレーを見せ、開始5分でPCのチャンスを引き寄せる。だが、ミスが絡み決めきることはできず。そこから少しずつ流れが相手に傾き、第2Q9分、相手に1点を献上してしまう。その後、再び関大ペースに持ち込み計4回ものPCを獲得したものの、全て無得点に終わった。

前半を1点差で折り返し、迎えた後半戦。第3Qは守りからリズムを作った。序盤に2度PCを許したが、ルーキーのFW甲斐心之介(人1)や最上級生のDF松本悟郎(商4)の好守が光り、ピンチを乗り越える。その後、試合が再び動いたのは7分。PC中に水川がペナルティーストローク(PS)を獲得する。シュートを任されたFW森川大(人4)がチャンスをものにし、3点目を奪った。その後、残り時間3分で多田周平(商2)が4点目となるゴールを決め、さらに勝利を確固たるものに。大きくリードを奪い、最終Qに突入した。


泣いても笑っても最後の15分間。フィールドには、途中出場のGK北田稜二(環都4)を含め、4年生全員の姿があった。序盤の相手PCを無得点に防ぐと、「ずっとゴールを決めることしか考えていなかった」というFW山田慧人(政策4)が念願の得点を挙げる。その後もFW山田や主将のDF笹木大聖(経4)が得点を狙い続け、再びスコアが動いたのは残り時間1分。PCのチャンスからゴールを奪ったのはDF松本だった。「普段、PCのオフェンス側に上がることはほとんどない」という松本だが、目の前に来たボールをしっかりゴール内に収める。4年生の活躍にベンチは最高潮の盛り上がりを見せ、試合終了のホーンが鳴り響くと、おのおのハイタッチ、抱擁を交わした。




新型コロナウイルス感染拡大の影響で、例年通りとはならなかった今年度。4年生にとって最初で最後の1部でのリーグ戦は順位こそ7位だったが、最終戦で勝利を収め、最後は笑顔を浮かべた。4年生が果たせなかった王座出場や1部上位を目指して。新たな関大ホッケー部のページが今開かれる。【文:中西愛/写真:中西愛・上田紫央里】


▼笹木
「インカレ予選で5-1で勝った相手なので、負けることはないなと思ったが、絶対に勝利しようと。理想としては、1、2Qで3点差ぐらい広げて、GK北田を出してあげたかった。内容は、こっちがボールを長く持っていて、シュートチャンスもあった中、決めきれなかった。来年、決定率を意識してやってほしい。それでも、この試合に勝つのと負けるのとでは、来年の組み合わせも変わってくる。ここで勝てたことは、来年にいい流れを作れたと思う。(今季リーグ戦を振り返って)5位以上を目標としていて、前回、聖泉大に惜しいところで負けて、勝てた試合を逃してしまった。結果7位というのは、満足していない。来年は、今年より強いと思うので、4位、5位を目指してほしい。森川瑶や、水川、MFの選手が得点力もあり、ドリブルで相手を抜けたりするので、2人がキーマンになってくるのかなと思う。(4年間を振り返って)最初、関大が1部にいるつもりで入ってきて、最初は気持ちも下がっていたが、2年の頃の植村主将(18年度卒)がいい影響を与えてくれた。『あんな人になりたいな』という思いから主将になった。いざ、その立場になったら、人の上に立つというのは難しいなと思ったことはたくさんあったが、今の3年生が真面目な子たちばかりで、練習中も意見を言ってくれたり、同期も声を出して盛り上げてくれた。そういうのが助かった。小学校からホッケーをやってきたが、これで終わり。関大もそうだが、ホッケーをしていなければ入れなかった。本当に良かったなと思う。立命大や天理大など強い学校は他にもあるが、経験者、未経験者など、関大にはいろんな人がいる。ホッケー以外でもいろんな価値観が吸収出来て、自分自身成長できた。高校、中学校、小学校合わせても、1番成長できたと思える4年間だった。(後輩に向けて)1、2年が上手な子が多いので、3年生がそういう子たちにどれだけ厳しく言えるか。まとめるのは大変だと思う。1、2年生はどれだけ3年生を支えられるか。期待している。(同期に向けて)どの学年よりも仲がいいと思っている。プライベートでも遊ぶことは多かった。練習中も、練習メニューの相談をしたら提案してくれた。いい同期だった」
▼山田
「自分たちが押すだろうというのは前から予想していて、その通りにいったが、途中で1点取られてしまった。中盤で少し焦りがあったが、3Qで2点を取って、4Qでは僕も点を決めることが出来た。そこからテンション高くやっていけた。(第4Qのゴールについて)森川大か誰かがパスしたのを、誰かが弾いて、サークルトップに転がってきたボールをそのままリバースで打って、キーパーの左に入った。ずっとゴールを決めることしか考えていなかった。(今季リーグ戦を振り返って)1部で初めてやったが、大学4年間練習し、高校から積み上げてきたものが十分生かせた。福井工大戦でも1点決めれたし、他の試合でも何のそん色なくプレーできたので、上達したなと実感した。(今年1年を振り返って)最初は就活と被ったり、コロナの影響もあったり、しんどい時期もあった。それが終わったらしっかりホッケーに集中してできたかなと。ただ、もっとチームが強くなれたかもしれないなと。そこを考えれば、なんとも言えない気持ち。副将としては、練習中も声を出し、しっかり役割を果たせたと思う。(大学4年間を振り返って)最初は、チームのホッケーに馴染めなかったり、ホッケーがうまくいかなかったりで、悔しかった。1年の秋からスタメンになり、チームも結果を出せるようになった。そこから、2年のときに荒れた時期があり、点も決めれず、ホッケーがあまり好きじゃなかった。でも、3年のときは、上の代がとても好きだったので、そのためにホッケーをしようと。成果も出せた。今年は最上級生として、点も決めて、チームの中での役割も果たせて、結果も残せて。楽しかった4年間だった。(後輩に向けて)来年も1部なので、厳しい戦いや点差が開く試合もあるかもしれないが、そこでめげずに頑張ってほしいし、柳田くん(柳田昂輝=情3)などチーム内のまとめ役として頑張ってほしい。(同期に向けて)いろいろ迷惑をかけたり、お互いにかけ合ったりしてきたが、この4年間良かったし、最後に全員で試合に出てホッケーできた。ホッケーに関して悔いはない」
▼松本
「前回、5-1で勝っていたので、気持ち的にはゆとりを持って試合に臨めた。序盤で2点を取れたし、いけるな、と。ただ、1点を取られた2Q目はあまり流れが良くなかったので、ハーフタイムで気を引き締めた。今年、上手な1年生が入ってきて、プラス2から4年が前に集まっているので、点は取ってくれるなと安心していた。守ればいけるなと。(最終Qのゴールについて)PCのリバウンドをダイレクトで入れた。普段、PCのオフェンス側に上がることはほとんどない。たまに上がったときでも、いつもボールはこなかった。最後だし上がったら、目の前に転がってきたので、思い切り振り切ったらしっかり当たってゴールに入った。うれしかった。最後の最後で、だったので。昨年2部で1点決めて、もう点決めるのは無理かなと思っていた。まさか最後に、しかも1部の試合で点を決めれるとは思っていなかった。とてもうれしかった。(今季リーグ戦を振り返って)僕たちの代から1部を知らなかった。インカレとかでたまに1部校とは試合はしていたが、いざやってみると全然違うな、と。そういう敵わないな、という部分と、いけるな、という部分と。両方感じた。前の聖泉大との試合は、勝ち切れたなという試合だった。でも、それは後輩たちが1部に居続けたらだんだん慣れてくると思う。そこは後輩に託したい。(1年間を振り返って)最初のチームの目標が、王座に出ることだった。5位、6位に入れれば王座に出れるという状況で。自信もあったが、春のリーグ戦もなくなり、王座自体もなくなって。さらに、インカレの出場枠も削られ出れなくて。なかなかやりきれない1年。不完全燃焼と言えば不完全燃焼だが、他のクラブと交流していると、試合できずに引退とか、途中で打ち切りなどになった部もある。そういう話を聞いていたら、最後まで試合ができて、勝って終われたということは、良かった。(大学4年間を振り返って)最初は、大学からホッケーを始めた同期が3人いたが、他の2人は辞めてしまい、1人になった。0からのスタートで、ルールも知らないし、何もわからなかった。他の同期は上手くて、1年生から試合に出ていた。とてもしんどくて、嫌なこともいっぱいあったが、運よく試合に絡み始めることができて、そこから試合に出させてもらった。運も良かったし、自分自身もがんばれたと思う。点も決めることができたし、インカレベスト8にもなれたし、やりきれた。(同期に向けて)昔からずっと仲が良くて、喧嘩をするときもあったが、同期の中では1番実力がなかったし、そこでずっと引っ張ってもらっていた。僕の初心者からの意見も聞いてくれる、いい同期。ありがとうと言いたい。(後輩に向けて)1、2年生に上手い子がそろっていて、3年生には突き抜けて上手い子がいない。来年は苦労するかなと思うが、次のキャプテンの柳田はすごい真面目。チームのことを考えてくれている。今までも考えてくれていた。1、2年生はプレーで引っ張ってくれていったら、結果も付いてくると思う。来年から僕の父が監督になり話も聞けるので聞いたり、見に行けるときは見に行ったりしたい。ずっと1部で戦っていくとしんどい試合もあると思うが、気持ちを切らさずに最後までやり切ってほしい」
▼森川
「1Qから2点取れて、自分たちのペースで試合を進めていけた。最後、楽しくゲームができた。途中、相手のペースになりかけた部分があったが、そこで気持ちを切り替えて後半に臨めたのは良かった。(PSについて)相手の故意的な反則があって。幹也(水川幹也)が取ったものだったが、譲ってくれた。そこをしっかり決められて良かった。(第4Qについて)4年生が決めれるのは最後だった。大聖(笹木大聖)も決めてほしかった部分はある。(今季リーグ戦を振り返って)聖泉大戦がターニングポイントだった。あの試合は自分たちのペースに持っていけたと感じていた中での負けだったので、もったいなかった。勝てていれば、もう少し気持ち良く終われたのかなと。(大学4年間を振り返って)最初2部からスタートして、昨年1部にやっと上がれることになったが、コロナで試合ができず。インカレ枠が減るなど、最後はぱっとしない部分もあった。しょうがないが悔しい部分がある。集大成としてもう少しやりたかった。春リーグがなくなり、チームとしてのモチベーションが下がってしまうのは仕方がなかった。秋リーグでモチベーションを保てればよかったが、少し難しかった。学生としてやるのは最後。ある程度ひと区切りがつく。(関大でホッケーを続けてみて)ずっと強いチームでやってきたからこそ、自分が教えるという立場の難しさを勉強させてもらったことは自分にとってプラスだった。チームをどうけん引していくかを考えられたので、成長できた経験になった。(同期に向けて)何人か辞めてしまったが、メンバーに恵まれ楽しくホッケーができて良かった。(後輩に向けて)そこまでレベルは落ちないと思っている。上げていくイメージでやっていってほしい。きっと来年は春リーグからやれると思うので、キャプテン中心にがんばっていってほしい」
▼北田
「後輩がベンチから『行ってください!』と言ってくれて、うれしかった。がんばろうと思えた。あまりボールがこなかったが、練習通りにはいけた。勝てれば良し。大聖以外全員シュートを決めれたし、4年間一緒にやってきて最後出れてよかった。(1年間を振り返って)春リーグがなくなり残念だったが、代わりに秋に向けて気持ちは整理できた。(大学4年間を振り返って)高校からホッケーをやって、最初はもっと活躍できると思っていた。しかし、全然うまくいかず、辞めようと思った時期もあった。同期に励ましてもらい、ここまで続けられた。(ホッケー人生を振り返って)どちらの面も経験できた。高校時代はキャプテンをやっていた。大学では全然出れず、と。どちらの面も経験できたという面では、ホッケーをやっていて良かったなと。人として成長できた。(後輩に向けて)GKの後輩に関しては、全然僕よりも上手い。技術面に関しては全然問題ないので、あとは楽しくやってほしい。辛いときもあると思うが、同期の間で解決して、辞めずに頑張ってほしい」
▼柳田
「最後勝ち切れて、有終の美を飾って引退してくれたのは本当にうれしい。第1Qで2点を取ることができたが、その後ディフェンスラインの乱れから相手のペースになってしまって。自分も結構ミスが多かった。その中でも、3Q目からみんなのエンジンがもう1回かかってきて、そこから連続で点が取れた。最後は4年生が点を決めてくれて良かった。(次期キャプテンとして)4年生がいても成し遂げられなかった1部5位を、来年は絶対成し遂げたい。チームの雰囲気やモチベーションを上げれるキャプテンになりたい。1、2年生が多く試合に出ている状況で、今の3年はあまり出れていない。プレーで引っ張るのが1番いいが、もっと違うところで引っ張っていかないといけないと思っている。練習、試合に対する姿勢で見せて、後輩もがんばろうと思えるような最上級生になりたい。(課題は?)技術面で言えば、ディフェンスラインが安定していないところ。あと、決定力。聖泉大戦では、6、7割関大が攻めていたのに、1点しか取れなかった。また、関大ホッケー部は上手い人と上手くない人の差がとても大きいと感じている。1部で戦うにあたって、底上げをしていかないといけない。(4年生に向けて)4年生はメンバーの誰とでも仲が良かった。自分は特にお世話になったので、本当にありがとうございましたと伝えたい。あと、今年はコロナの影響でできなかったことも多かったが、来年は王座出場、インカレベスト8、1部リーグ5位という目標を絶対に達成するので、見ていてほしい」