首位・大体大に圧倒され敗北。悔しさ糧に前進誓う
◇第98回関西学生後期リーグ第7節◇対大体大◇ 10月24日◇
【前半】関大0―2大体大
【後半】関大1―1大体大
【試合終了】関大1ー3大体大
※無観客試合
桃山大、同大を破り、連勝中の関大。今節は現在首位を走る大体大と相対した。「チャレンジャーの気持ちで」と小山新主将(4年)。強敵に食らいついて、勝ち点をつかみ取りたいところではあったが、序盤から相手に得点を許し、最終的に3失点。最後にDF松尾勇佑(2年)が1点を返すも、金星とはならなかった。

強風の吹き荒れるピッチ。高く上がったボールは大きく軌道を変える。「落下地点だったり、ファーストディフェンダーの競り方っていうのは、いつもよりかは難しかった」とDF長井一真(4年)。その中でも大体大はボールをうまくキープし、主導権を握った。6分にはフリーキック(FK)から関大ゴールにボールを流し込む。試合開始早々の失点で、関大は序盤から劣勢に追い込まれた。それでも、今季初スタメンのMF松本歩夢(4年)はタフなプレーで積極的にボールを取りにいき、相手にプレッシャーをかける。FW沼田駿也(3年)は同点弾を狙い、ゴール前まで迫るも、シュートを打つ前に対応されてしまった。前節、初得点を挙げたFW矢野龍斗(4年)にも、チャンスでボールが渡るが、相手DFを前に決めきれず、もどかしい時間が続いた。



その後もセットプレーからのピンチは続く。そして30分には速いパス回しから仕掛けられ、相手をマークしきれず2点目の失点を喫した。苦しい時間帯でも、MF草刈龍星(3年)は中盤でボールを死守。MF松井修二(4年)は持ち前の突破力で、相手のテクニックに苦しみながらも、ボールを前に進めた。DF坂口貴哉(4年)は相手の少しの隙を見てゴール前にボールを供給する。しかし、つながらず、得点には結びつかない。前半終了間際には相手のセンタリングでヒヤリとする場面もあったが、ここはGK光藤諒也(3年)がしっかりとキャッチし、事なきを得た。





0ー2で迎えたハーフタイムには、DF小山主将が「こういう相手、こういう展開のゲームから絶対に逃げちゃダメだ」とチームに伝える。厳しい展開の中でも、決して勝利を諦めなかった。後半戦では、MF足立翼(2年)とFW久乗聖亜(2年)の2年生コンビが投入される。前線のギアアップが期待された。FW久乗はMF松井のパスを受けゴールを狙うも、抜けてしまう。相手ペースをなかなか崩せず、ディフェンスに徹する時間も長かった。そして23分、またも相手のFKからピンチに。DF長井をはじめとするDF陣が必死の対応を見せるが、左から右に展開され、追加点を許してしまう。現在首位独走中の相手にその実力をまじまじと見せつけられた。




それでも、DF小山主将やDF長井がうしろから声を掛け続ける。MF奥野圭亮(4年)も体を張ってボールをキープし、その姿でチームを鼓舞した。さらに、リーグ序盤に2得点を生み出しているMF深澤佑太(2年)や、これまでにも途中出場から新たな展開を生み出してきたMF植田聡太(4年)が投入され、流れをなんとか変えようと試みた。試合終盤には、関大の得点源であるFW沼田もベンチに戻し、FW宮脇和輝(3年)を送り出す。ピッチに立つ全員がホイッスルが鳴るまで走り続けた。すると、後半ロスタイム、激しい運動量で粘り強いプレーを見せていたDF松尾が1点を決め、最後の最後に関大の意地を見せた。






リーグ優勝にも何度も輝いている大体大に圧倒され、悔しさをにじませる選手たち。リーグ後半になるにつれ、1敗の重みは大きくなる。しかし、「落ち込んでる暇はない。連敗というのは絶対に許されない」と小山主将。過去は変えられないが、過去の意味なら変えられる。敗戦から学ぶべきことをしっかりと吸収し、勝ち点に反映できるか。決してこの敗北を無駄にはしない。【文:勝部真穂/写真:遠藤菜美香・勝部真穂】


▼前田雅文監督
「圧倒された感じもあるし、完封されたというところにも課題を感じている。失点はセットプレーで、相手のストロングポイントだったが、得点いくまでになかなか、一筋が見えないというか、得点できそうな雰囲気とかが出せていなかった。1対1のところで、フィジカルを相手が出してくる中で、そこら辺に屈したというか。その中でパフォーマンスを出せなかった。そういうところで一つ一つ、一人一人が負けてしまった。準備していたものがあったが、そこまでたどり着かなかったり、できなかった。思った以上にできなかった印象で、もっと違うこととかも、考えた方が良かった。(4年生が多く出場しているが)関大は4年生になるにつれて伸びてくる選手が多い。別に4年生を多く出そうとかは思っていないが、(年数を重ねた)4年生が必然的に多くなってくるようなトレーニングをしている。今日体大(大体大)とやってみて、個人個人の差は感じたし、それが集団になるとこれだけの差がついてしまったりもするので、そういうところの強度とかいうのは大事だと思う。しっかり練習で落とし込んでいきたい。選手はその中でも100%やってくれたと思うので、練習でそういうところをスタッフが落とし込んでいくことが大事だと思う。今日の反省を生かして次につなげていきたい」
▼DF小山主将
「素直にこの敗戦は悔しいし、力負けかなというのはすごく感じていて。内容的にも体大の勝負強さであったり、こういうゲーム展開の中でも決めるべきところを決めてくる力であったり、セットプレーに持ち込んだり、あとは個人で打開してくる力だったり、ボール奪う力というのも、全てにおいて自分たちより上だったなと感じた。そこは見習うべきだと思うし、そういうところを受け止めて、悔しい敗戦だなと感じた。(試合前は)去年も勝てていないし、体大がずっとリーグ(優勝)取ってるので、こちらはチャレンジャーという気持ちで僕たちの力を出し切って挑もうという風にはミーティングでもなっていた。でも、相手の実力の前に、自分たちの力というのは出せずに終わってしまったのかなと。(ハーフタイムで)自分が声をかけたのは、こういう相手だったり、こういう展開のゲームから絶対に逃げちゃダメだというのは伝えていた。どういう展開になろうと、立ち向かうことで、次への成長だったり、このゲームから何か学べることがあるなということを感じていたので、そういう強い気持ちを持つことで逆転につながると信じていたし、そこはもう一度気持ちを切り替えて、1つずつ返していくぞということを言っていた。結果はついてこなかった。(攻撃面での課題は)今日はピッチコンディションが、強風があって悪い中で、狙いとしていた、サイドにボール集めながらというところがなかなか有効にできなかった。また、体大の守備強度が高かったので、そういった中で自分たちがどういう攻撃をしながらやっていくのかっていうところで、引き出しが少なかったり、攻撃の攻め方があまりなかった。そこはやっぱりチームとして練習のところから、個人で打開する力であったり、チームでどうやって攻撃していくのかというところをもっともっと突き詰めていかないといけない。(今後の試合について)負けられないし、落ち込んでる暇もない。連敗というのは絶対に許されない。今回のゲームで学ぶことであったので、メンタル面は切り替えて、次に向けて準備してやるだけ。4回生を中心にやり続けるというところを常に意識しながら、厳しさや、ゴールにこだわるというところを突き詰めていかないといけないなとこの試合ですごく感じた。そういうところを含めて、練習からもっともっとやっていきたい」
▼DF長井
「試合入る前は、2連勝してきて、相手は首位の体大で、勝てば大きいし、どんどん勢いに乗っていけるなという風にチームでも1週間ずっと話をしていた。その中で試合の入りとして、今日は風があって結構難しい展開だったが、ディフェンスラインが3失点もしてしまったら。前は1点取ってるので。ディフェンスラインがもっと守備を統率してできなければいけなかったと思う。今週1週間体大戦に向けて準備してきた。その中で気持ち的にはできていたが、プレーで表現することができなかった。ハーフタイムの時は、2失点してしまっているけど、次1点取ったら相手焦ると思うし、チャンスが来ると思うから、その1点を、という話をしていた。(セットプレーからの失点が多かったが)1失点目は、完璧にニアのところで弾けたボールだったと思うが、そこで気の緩みが出た。3失点目は、僕が中途半端に真ん中弾いてしまって、もう1㍍でも前に飛ばしていたら、あの失点はなかったと思う。そこは反省点。風が強くて、体大が結構ロングボールとか高いボールを入れてくるチームなので、その時の落下地点だったり、ファーストディフェンダーの競り方っていうのは、いつもよりかは難しかったと思う。雰囲気は負けてしまっているので良くはなかったが、ここから作り直していくしかないので、次に向かってやっていく。(次戦の甲南大戦について)練習試合でもしてる相手やし、練習試合では負けたり、引き分けたりであんまり勝ててないが、連敗だけは、リーグ優勝するためにしてはいけないので、次の試合こそは必ず、全員で勝ち抜きたいと思う」
▼DF松尾
「優勝に向けて、チームでも絶対に勝とうといっていて、その中で、最後の最後まで0ー3、個人としても負けているという状況だった。悔しい気持ちがあった。その中で最後に1点取れて、粘り強さというか、そういうのを見せれて良かった。センターバックの(小山)新くん、(長井)一真くんがめっちゃ声掛けてくれたり、同じ逆サイドの(坂口)貴哉くんも練習でもめっちゃアドバイスしてくれる。今は4回生に支えられているという感じ。(同期の)2回生にもっと出てほしい。(深澤)佑太とか点もとっているし、あとは(足立)翼とか。正直、同期の活躍が一番嬉しい。(甲南大戦に向けて)もう負けられないので、絶対勝っていきたい。個人としては2試合連続ゴールいけたらいいな」