FW矢野が先制!2-0で同大下す。
◇第98回関西学生後期リーグ第6節◇対同大◇ 10月17日◇
【前半】関大2―0同大
【後半】関大0―0同大
【試合終了】関大2―0同大
※無観客試合
2勝2敗6位で迎えた今節は、今リーグ戦初の雨天試合となった。スターティングメンバーは前節と同じ、4年生中心の布陣で挑んだ。前半、FW矢野龍斗(4年)の待望の一発で先制すると、前半終了間際にはDF坂口貴哉(4年)が押し込んで追加点。守備も崩れることはなく、2点完封勝利で、勝ち点3を獲得した。



はじめにシュートを放ったのは同大。GK高村優太郎(4年)も飛び込むがゴールは外れ、難を逃れる。その後、積極的なプレーでチームに勢いをもたらすのはMF松井修二(4年)。前線にボールを運び、チャンスを演出。9分にはFW沼田駿也(3年)からパスを受けシュートを放つも、ここはGKに止められてしまった。しかし、そのままペースをつかんだ関大は攻め続ける。19分にはFW矢野がボールを運び、FW沼田にパス。沼田はシュートを放つも、GKにはじかれる。しかしこぼれ球をうまくMF青木真生都(3年)が拾い、最後は矢野が頭で決めた。矢野にとっては今季初となるゴールで貴重な先制点をもぎ取った。「矢野のような選手が決めるとチームとして勢いや盛り上がりが出てくる」とDF小山新主将(4年)。さらに得点を重ねるべく、攻めの姿勢を続けた。






守備と攻撃がうまく連動し、いい流れが続く。DF松尾勇佑(2年)は反応の良さで、相手の攻撃の芽を摘み、好機をつくりだした。DF長井一真(4年)は常にうしろから声を掛け続け、 チームの士気を保つ。プレーでも持ち前の対人力で相手を圧倒した。DFの長井だが、ゴールも積極的に狙った。39分、獲得したフリーキック(FK)をMF奥野圭亮(4年)が蹴る。長井が頭で合わすも、ここでは決まらず。だが、そのあともセットプレーからチャンスが続き、得点機が訪れた。前半ラストプレー、再びMF奥野のFK。奥野は直接ゴールを狙ったが、GKがはじき出す。「このスリッピーな状況でバウンド付いたらキーパーも取るのは難しい 」。ボールがこぼれることを予測していたDF坂口が押し込んで追加点を決めた。





いい流れで前半を終えた関大。今までの試合では良かった前半の後は崩れてしまうこともあった。今回はその反省から、後半も立ち上がりからペースを落とさない。2点目を狙うFW矢野がゴールを脅かしたり、MF草刈龍星(3年)が体を張って相手の攻撃を阻止したり、一人一人の献身的なプレーが際立った。19分にはMF松本歩夢(4年)がピッチに。投入後すぐに、スピードで相手を寄せ付けずチャンスを演出する。FW陣もパスをつなぎ、MF奥野はシュートでゴールを狙った。途中出場のMF足立翼(2年)はドリブルで突破し、相手を翻弄(ほんろう)する。追加点こそ生まれなかったものの、攻撃の貪欲さをチーム全体で見せつけた。カウンター攻撃にはDF小山主将が対応。「(失点)ゼロというのはこだわっていた」。ディフェンスがうまく連動し、最後まで得点を許さなかった。





リーグ初の連勝を決めた関大。4年生中心にいい状態を作れている。次節はついに、首位大体大との対決。例年、大体大には敗れることが多いが、今年は、リーグ優勝を果たすため、絶対に負けられない相手だ。「チャレンジャーという気持ちで」と小山主将。競争で、チームの質を挙げ、全員サッカーで挑む。ここから連勝をいくつ重ねられるか、注目だ。【文:勝部真穂/写真:竹中杏有果】

▼前田雅文監督
「狙いがあった中から、チャンスを作れていた。得点のところで(前節2得点を決めた)FW沼田が警戒されるからなあと言っていて、他の子が取らないと、となっていた。その中でFW矢野がと(点を)取った。守備からの攻撃というところ、セットで狙いを持っていて、そこでほかの選手も得点を取れた。狙いがいろんなところではまって、準備してきたことがうまく出せた。(FW矢野のゴールについて)あそこで1点取れたというところは良かった。いい流れの中とか、狙いの中で点を取れたっていうのは良かったところだが、2点目とかも十分に狙えるチャンスがあった。チームとしても、3点目を狙えたと思うので、そういうところでちょっとミスもあった。そういうミスを減らしていけば、複数得点につながっていくと思う。前半で点を取って、後半で相手流れを持っていかれたりとかするケースが多かったのでしっかり守備から入って、というところは言っている。近大の時も学院大(大院大)の時もそうで、負ける試合はいつも前半良かったのに後半ばばっと失点してしまったりとか。流れを持ていかれて苦しい展開になったりとか。守備のところは意識して言っている。失点するのとしないのとでは全然違う。DF陣の結束力とかも変わってくると思うので、そういうところでしっかりゼロに抑えれたのは良かった。今日は(DFの)長井、坂口、小山、松尾ってところが、やるべきところをしっかりやっての無失点だったと思う。その辺が良かったと思う。(次戦に向けて)体大(大体大)にはいつも負けているのでしっかり勝ちたい」
▼DF小山主将
「相手は同志社で、(同志社は)勝ててないチームだったので、気を緩めることなく、地に足つけて、自分たちのやるべきことを徹底しようという気持ちでミーティングをしながら試合に臨んだ。いい時間帯に2点決めることができて、そこからは試合運びやすかったので後ろはゼロで抑えるっていうところにこだわりながら、2-0という結果も、内容も良かったんじゃないかなと思う。FWの選手、矢野みたいな選手が決めるとチームとして勢いや盛り上がりが出てくる。そういった意味でも彼の得点というのは前節からも期待していたし、早い時間帯だったので後ろも守りやすかった。どの状況であっても、(失点)ゼロというのはこだわっていて、前節はPKだったが失点をしてしまって、1点差という苦しいことも経験した。だから、2点取った後もゼロでゼロでっていうところは常に声を掛けながらできたのでそこは良かったと思う。(メンバーについて)競争という意味では、もっとサブ含めどんどんメンバー争いしていきたいというのはあるが、今のメンバーでいいゲームが続いている。練習から、競争を意識しながらメンバー誰が出ても、同じサッカーができるというのがいいチームだと思うので、そこはメンバー関係なしに、関大らしく戦うというところを意識したい。(次戦に向けて)ずっとリーグ優勝しているのは体大。去年も勝てていないので、特別な一戦。僕らはチャレンジャーという気持ちで。やっぱり体大に勝ちたいし、そこに向けて1週間準備して、メンタル面も、技術面も強く持って臨めるように頑張りたい」
▼FW矢野
「前節勝てたので連勝したかった。今日落としたら、インカレやリーグ優勝が難しくなるので、しっかり勝ちに行くという気持ちでピッチに立った。前節、僕はゴールを決めれていなくて、FW沼田が2点取って、その前も僕はゴール決めることができていなかったので、自分のゴールでチームの勝利に貢献できるようにと思っていた。ゴール取ることができて良かった。(試合前は)今日は絶対決めてやろうという思っていた。チャンスをいただけたので、ゴールを決めれて良かった。2-0で折り返して、ディフェンスラインがゼロで抑えてくれていたということを考えると、前線が点を取りに行って、3点、4点と取れば試合も楽に運べていた。後半、体力が落ちてきたところでもう一つゴールに向かうというプレーを増やしていければなと思う。(今のメンバーは4年生が多いが)天皇杯予選やリーグのはじめは4回生はなかなか出れない状況だった。その中でも必ず自分がピッチに立って、チームを勝たせるんだという思いを持って練習をしていた。そういう思いを持ち続けて4回生はみんな練習をやっているし、今、試合に外れたメンバーもそういう思いを持ってやっていると思う。4回生と一緒に戦えることはうれしい。一生懸命頑張りたい。(次戦に向けて)またチャンスをいただいたらゴールを決めてチームの勝利に貢献するというところと僕は前線で体張ったりとか、献身的にボールを追うとか、チームの仲間のためにプレーできるように頑張りたい」
▼DF坂口
「試合通して無失点で終われたのは良かった。最近の試合失点を重ねていたので。まず勝てたっていうのは守備陣としても良かったかなと思う。(無失点に対する意識は)練習でもやっぱり球際とか、体最後のところで張るとか意識してやってき田。紅白戦とかでも失点はあったが、試合ではチームとして相手の攻撃に対して、コミュニケーション取りながら、連動した守備で失点しないというのを話し合いながらやっていた。それが結果につながったかなと思う。(得点は、MF奥野が)直接狙うと言っていたので、このスリッピーな状況でバウンド付いたらキーパーも取るのは難しいので、そこは狙っててたまたま自分のところ飛んできたので、気持ちで押し込んだ。決めれて良かったなっていうのはあるが、チームの勝利に貢献できたところが一番うれしい。(今のチームは)4回生が多く出ているというところは、チームとして、自分たちの学年としてもいい状態だと思う。その中で2連勝できたが、次は体大ということで強い相手だとは思う。負けたら今までやってきたことが意味ないというか、積み重ねがいったん崩れてしまう。勝ち続けないとインカレとか日本一にはなれないので、そういう意味では4回生中心に話し合いとかしっかりコミュニケーション取りながら、下からの押上とかもあるが、そういうのを含め、全員で競争しながらやっていきたい。自分は守備の退陣のところがアピールポイントだと思っていて、その中で前から関大は、連動した守備ではめていくというのをやっている。自分は絶対に目の前の相手に負けないとか、抜かれないとか、しっかりボール奪いきるというところは常日頃から意識してやっているので、そこでは負けられない。そういう意味で前からはめにいった時に自分のポイントでボールを奪えたり、相手の状態を崩して味方と連携して奪うというのは意識している。そういった前からの守備というのは、自分として常日頃からやっている」