総合大会連覇逃し団体2位
◇第63回関西学生賞典総合大会・第45回関西学生複合大会◇9月5・6日◇三木ホースランドパーク◇
【総合大会結果】
[馬場競技]
荒川将暉(文2)・千功組 得点率61.65 減点38.4
水谷汐里(政策2)・千豪組 得点率60.79 減点39.2
江藤駿(情4)・千優組 得点率58.09 減点41.9
福島秀太(人3)・千翔組 得点率61.61 減点38.4
[障害競技]
荒川将・千功組 減点4
水谷・千豪組 減点0
江藤・千優組 減点4
福島・千翔組 減点0
[クロスカントリー競技]
荒川将・千功組 減点0
水谷・千豪組 失権
江藤・千優組 減点20
福島・千翔組 減点0
[個人成績]
2位 福島・千翔組
4位 荒川将・千功組
[団体成績]
1位 京産大
2位 関大
3位 関学大
【複合大会結果】
[馬場競技B]
松村直季(情4)・千王組 得点率51.31%
[障害競技B]
2位 井田風花(情3)・千歌組 減点0
5位 尼岸みなみ(安全4)・千騅組 減点2
6位 荒川真穂(外3)・千王組 減点11
昨年優勝を果たし、連覇が懸かる今大会。新型コロナウイルスの流行により例年とは異なる時期の開催となった。
総合競技とは、馬場、障害、クロスカントリーの3種目を同一人馬で行い合計減点の少なさを競う競技である。1日目は馬場競技と障害競技が行われた。動作の正確さや美しさが審査される馬場競技では、 荒川将・千功組 、水谷・千豪組、福島・千翔組が最終得点率60%を越える演技を披露。江藤は演技後半で千優に反抗される場面があり、「練習の方ができていた」と悔しさをにじませた。


午後から開始されたのは障害競技。最初に登場した荒川将・千功組は、途中の障害でバーを落としたが1カ所に抑えた。しかし、「踏み切りを間違えたりして馬に負担をかけてしまうシーンがあった」と課題を挙げた。総合大会初出場の水谷は、「想像していた以上の結果になった」と納得の走りを見せる。一つ一つ丁寧に障害を跳び減点0で競技を終えると、続く江藤・千優組も後半の障害でミスはあったがしっかりと走り切った。関大勢最後の登場は福島・千翔組。このコンビでは初めての試合だったが、序盤からハイペースで障害を跳んでいき人と馬とが息の合った満点走行で会場を沸かせた。


2種目を終えた時点で団体1位となり迎えた2日目。総合競技最後の種目であるクロスカントリー競技は、障害物を越えながら自然に近い状態の地形を走る。全体の2走目に登場した荒川将・千功組は規定タイム内に完走し今までの課題をクリア。一方、水谷・千豪組は最後の障害で落馬し、ゴールを目前にして悔しい失権となる。


江藤は「確実にタイムインしたいという欲が出てしまって」と、ペースを上げすぎてコントロールを失い、千優が途中の障害を跳ばずに避けるという結果に。京産大と僅差で戦っていただけに痛い減点となった。最後の福島・千翔組は減点0で走り切り実力を見せたが、団体成績は京産大に抜かれ2位で大会を終えた。


「昨年のように優勝を目指していた」と阿部監督。団体連覇を果たせず、悔しさが残った。個人成績は、前回大会で優勝した福島が2位、荒川将が昨年より2つ順位を上げ4位入賞という結果で幕を閉じた。


9月19、20日には全関西学生大会と関西学生賞典障害大会(夏学)が行われる。夏学は関大が得意とする大会で、 今まで何度も優勝してきた。今大会で見つかった課題を改善し、さらに人馬一体となりリベンジを果たす。


同時に行われた複合大会にも4名の選手が出場した。馬場競技Bには松村・ 千王組が参戦。障害競技Bでは、井田・千歌組、尼岸・千騅組、荒川真・千王組の3組とも完走し、全員が入賞という好成績を残した。【文:森本明日香/写真:勝部真穂・森本明日香】






▼阿部監督
「1頭は経験の薄い馬なんですけど主力の3頭はそれなりの結果で、とりあえず団体はきっちり組めたのでよかったと思います。昨年のように優勝を目指していたんですけど団体は2位で、江藤の馬の減点がなければ優勝できていたのでその辺は悔しいなと思います。水谷さんが2年生で初めての総合大会だったんですけど、クロスカントリーの最後で失権してしまって、4頭ともゴールするのが目標だったのでそこはすごく悔しいです。(関西学生賞典障害大会に向けては)今回のメンバーもみんな出るので、障害では必ず団体優勝して全日本につながるようにがんばってもらいたいと思います」
▼荒川将
「自分の課題があるのは、クロスカントリーだが、タイムインできてクリアできたかなと思う。それ以外でいろいろな課題が出てきた。走行の内容としては、障害競技とクロスカントリー競技では結構馬に助けられたことが多かったので、そういう課題を修正して次は馬を助けてあげられるような走行をできるようにしたい。(団体戦だったが、チームで話したことは)去年はこの大会で優勝できているので、今年も勝てるようにやりましょうという話をしていた。(馬場は)練習していた感じで行けたかなという感じ。馬場はそんなに悪くはなかった。やはり課題は後の2つの競技。自分のメンタルで踏み切りを間違えたりして馬に負担をかけてしまうシーンがあった。自分のメンタルとか、そういう問題をしっかり解決しないとだめだなと思った。(障害、クロスカントリー)共通の課題。(コロナの影響は)大会の日がずれたりして運動の量とかもどうしようか迷ったが、馬の体力的には調整がうまくいったのかなと思う。(馬とは)会えていた。(久しぶりの大会で緊張は)ありました。大会自体も競技も久しぶりだったので、人間が結構不安になってしまうところがあった。課題で挙げたメンタルもそういう部分。不安になってしまって馬に迷惑をかけてしまった。(次の試合に向けて)もう2週間しかないがしっかり課題を直せるように。そして今回よりもいい内容にしたい。練習に真剣に取り組んでいきたい」
▼水谷
「初めての経験だったのですごく新鮮な感じだった。いい経験でした。先輩からこの馬(千豪)はあんまり跳べへんって言われていて、歳も歳やし、今年が最後と言われていた。その中で、1日目の馬場も目標の60%を練習の甲斐あって超えられた。障害も馬に頑張ってほしい思いがあって、やったら馬も応えてくれて想像していた以上の結果になった。馬が頑張ってくれた。クロカン(=クロスカントリー)は(最後の障害で)落馬し、惜しかった。ちょっと悔しいですね。クロカンはやっぱり緊張するけど(千豪が)最後やしと思って頑張ろうと思った。(水谷がクロスカントリー)初めてということで、みんな「緊張しなくていいよ」って声もかけてもらえて自分的にはすごくいい経験だった。落馬したことも含めて。(千豪の引退については)まだわからなくて、もしかしたらできるかもしれないしもうここで終わって引退するかもしれない。(練習では)最後の方、ほんと跳びついてくれていい感じに仕上がっていた。今後の予定についてはまだわからない。10月ごろの大会に新しい馬と出場するかもしれない。(今後の目標は)全学出場です」
▼江藤
「馬場は自分の中では練習の方ができていたなと思います。本番に入った瞬間から馬がこもる感じが顕著に出てしまって、そこで前に出せなくて点が伸びなかったです。その調子で経路を回って演技をしている途中で、前に出そうと脚を使ったときに反抗されてそこでちょっとバタバタとなってしまったので、今までのリズムが崩れていなかったらもう少し点は引かれていなかったと思います。なので、合図確認とかの調教は待機馬場まででやっておいて、本番に入ってしまったらきれいに見せることを意識して妥協もしつつ流れで行けたらよかったです。障害は最初のプランとしては前傾姿勢で全体的にペースを速くして、曲がるときにちゃんと曲がる姿勢を作ってコースを回るつもりだったんですけど、振り返ってみてまだ全体的にペースが足りないと思うのと、曲がるときも曲がる姿勢がしっかりと取れていなかったことが心残りです。特に7番を落としたと思うのですが、それが顕著に出ていたと思います。回転の時に馬の姿勢やバランスを作ることができなくて、そのまま馬が跳びにくいように跳ばしてしまったからバーを落としてしまった。これは完全に人間のミスなので、普段からもっと自分のフォームで合図確認とか曲がる練習とか、障害を跳ぶ練習ではなくて基礎的な運動を徹底してやるべきだと感じました。(練習ができない期間があったことの影響は)あったんですけど、コロナで練習できなかったからというよりは自分のミスが大きいと思います。(クロスカントリー競技については)一昨年出たときはタイムを20秒くらい越してしまってタイム減点があったので、今年は確実にタイムインをしようと思って序盤からペースを上げていて、8番まではそれで上手くいっていたんですけど、確実にタイムインしたいという欲が出てしまってもっと馬を走らせていたらコントロールが難しくなって、9番のロングに向かうところで回転するときの姿勢が取れなくて、そのまま右に逸れてしまって障害を避けるという結果になってしまったので、やっぱり馬との約束事が決められてなかったと思います。馬場も障害もクロスカントリーも全部同じ原因で失敗をしてしまったので、普段の練習から馬と確認し合ってやっておくべきだったと思います。最終的に団体2位というのは喜ばしいことなんですけど、個人としては確実に上位を狙える馬だったのにあまりいい結果ではなくて、団体2位に自分が貢献できたわけではないことが悔しかったです」
▼福島 「(馬場競技に関して)一応納得はできたんですけど、今回の馬の担当になって初めての大会だったので、安全な策を取ったという感じはありました。速歩(はやあし)は全体的によかったんですけど、駈足(かけあし)はもうちょっと形を求めたら上に行けたかなと思います。障害は初めてだったので元気よく行こうと思って、下見で確認したことを大胆にやろうと思ったんですけどそれがちょっと雑になってしまいました。次の試合では丁寧にやろうと思います。関大での練習ではきちんと跳んでくれるけど、聞いていた話では試合会場の障害はひるんで何回か止まってしまったりもするので、そのことを頭に入れて動かしていました。いい馬とは聞いていたので、クロカンでもすごいなと思いました。安心感がありました。(いつもと違うコースは)やりやすかったです。いつもは複雑なんですけど、今回は道が単純だったので覚えやすかったです。(全学へのいきごみ)今回で分かった改善点とかをきちんと練習で直して挑みたいです。障害も減点0を狙っていきたいですけど、馬場の点数で離されてしまうと追いつけないので馬場をもうちょっと頑張りたいです」