下級生の活躍で開幕戦勝利!
◇2020年度関西学生秋季リーグ戦第1日目◇対大成蹊大◇9月4日◇横大路運動公園体育館◇
関大3-2大成蹊大
[S1]朝野●0-3
[S2]赤川●0-3
[S3]黒田○3-2
[S4]藤原○3-0
[S5]宮村○3-0
※無観客試合
いよいよ秋季リーグ戦の開幕!2020年度関西学生春季リーグ戦が中止され、久しぶりの公式戦となった今大会。新型コロナウイルス感染防止のための措置として、シングルスのみ、2試合同時進行で行われた。ベンチには出場選手5名とコーチ以外の姿はなく、応援の声も出してはいけないという異様な雰囲気での試合となった。
昨年の秋リーグで涙の2部降格となった卓球部女子。今大会では入れ替え戦が行われず1部昇格はできないが、全勝を目指して奮闘する。最初に登場したのは、最上級生コンビの朝野郁香主将(社4)と赤川真理亜(化生4)。「4年生でいい雰囲気を作りたい」と意気込んで臨んだ。主将である朝野は、序盤から相手に点を連取され窮地に立たされる。「声を出すことができなくて勢いに乗っていけない」と、普段と異なる試合の雰囲気について行けず、終始押される展開となった。赤川も活躍が期待されたが、第1ゲームで相手にリードを許し続け表情が曇る。第2ゲームでは、先制点を決めガッツポーズも飛び出た。接戦を繰り広げ、徐々に流れをつかんでいるかのように見えたが、強打が入らず攻め切れなくなっていく。このゲームをぎりぎりのところで落とすと、最後は相手の勢いに押されストレート負けを喫した。



後がなくなった関大。勝負の行方は下級生に任された。出場したのは、大学での公式戦初試合である黒田さくら(安全1)と、昨年から活躍する藤原真由(人2)。黒田は、緊張からか身体が思うように動かず、2ゲームを先取される。絶体絶命の状況に追い込まれたが、そこから驚異の巻き返しを見せた。それまでの緊張感が嘘のように、力強く気迫あふれるプレーで接戦を演じ、2ゲームを取り返して最終ゲームへ。勢いそのままに点を重ね、ルーキーが見事な逆転勝利を果たした。藤原は、落ち着いた表情で試合に挑んだ。ラリーが続いても慌てることはなく着実に点を奪い、相手を追い詰める。最後まで丁寧にボールを拾い、危なげなく白星を挙げた。


2勝2敗で迎えた第5シングルス。宮村栞奈(社3)が迎え撃った。第1ゲームでは始めから連続得点を許してしまうものの、その後8点連取で相手を突き放す。しかしすぐに差を埋められ、互いに一歩も譲らない好戦となる。デュースにもつれ込み、最終的に15―13で接戦を制した。このゲームを奪ったことで流れに乗り、その後は相手を圧倒。ミスをしても落ち着いて点を取り返し、ストレート勝ちで関大の勝利を決めた。

秋リーグ初戦は、朝野主将が「本当に今日は後輩たちに救われました」と言うように、下級生の活躍が目立った。しかし、次戦からは4年生も本領を発揮してくれるだろう。リーグ全勝に向け、全員が強い気持ちで戦い抜く。【文/写真:森本明日香】
▼朝野主将
「相手のチームがとても強くて前半追い込まれてしまって、4年生でいい雰囲気を作りたかったんですけど、1番、2番を落としてしまいました。でも、頼もしい新入生も入ってきてくれて、これまでも活躍してくれていた2、3年生も頑張ってくれたおかげで勝つことができたので、本当に今日は後輩たちに救われましたし、いい試合だったと思います。相手校が、前半に強い選手を持ってくるオーダーだとわかっていたので、なるべく上級生が最初に出て、いい雰囲気で立ち向かっていくところを見せたかったんですけど、できなかったので明日から挽回したいと思っています。今回のリーグでは、声を出すことができなくて勢いに乗っていけない部分がありました。試合までの各自の調整が、試合中にできない分大切だと思っているので、明日に向けても、今から調整していきたいです。(試合中に声を出せないことについて)やりづらかったですね。応援の時も声を出したくなったりしたので。黒田に関しては、前半は2セット取られていたのを見ると、初めての試合ですごく緊張していたと思います。でも、その後からは自分のプレーを出すことができて、最後勝ってくれたので、そこが今日一番いい試合で、チームの勝利を決めてくれた試合だったと思います。黒田には感謝したいです。藤原と宮村もしっかり取ってくれてよかったです。ダブルスがないことに関しては、特に不利には感じていなくて、一人一人が力を発揮できたらいいと思っています。とりあえず1回勝てたので、明日からも気を緩めずに、全勝目指してみんなで頑張っていきたいと思います」